ゆゆ式 第4話 「いいんちょう」

  • 以前書いたけどこのゆゆ式という作品はキャラクタが何をやっても許されるような世界が強固に構築されていて、それがこの類を見ないような独特の緩さをもった雰囲気を生み出していると思うんだけど、今回はその世界の外側にいるキャラクタ、つまり千穂が世界の内側に入るためのエピソードだった。今まで許される世界の内側にいるゆずこや縁から距離をとってきた千穂が、二人に歩み寄ることによって行動の自由を約束された。最後に千穂が唯の寝顔を自発的に撮ったことがその証左である。
  • 今回凄いと思ったのはAパートラスト、三人が部活終わって帰る道でのこと。夕焼けに照らされた道の上を三人が歩いてて、その足の部分がアップになって映されてるシーンがあるんだけど、ここで三人の歩く速度と歩幅がそれぞれ違っていてちょっと感動した。しかもそのあとのアイキャッチでどの足が誰のものなのかがはっきりとわかるようになっている(まあ三人の並び方ですぐにわかるんだが)。歩幅が小さく歩く速度が遅いのがゆずこ、歩幅も歩く速度も規則正しく一定なのが縁、歩幅が大きく歩く速度が早いのが唯。キャラの性格をそのまんま反映していてこれはキャラクタが動くアニメという媒体でしか出来ない表現方法だ。
  • 1話の頃のような常に謎の光が入ってるようなインパクトは無いんだけどそのぶんキャラが織り成すストーリーに重点が置かれて単純な面白さを獲得した。ただ決してアニメーションとしての質が下がったわけではなく、むしろ熱量は徐々に上がっている点には留意したい。キャラクタの個性が完全に視聴者側に認知されたことによって表現の自由度も増したように感じる。
  • しかしお母さん先生は冗談みたいなくらい素晴らしいキャラなのでアニメでは原作の順番いじって出番もっと増やしてほしい。おれも学生のうちにお母さん先生のような先生に出会いたかったけどお母さん先生のような先生が出現するの間違いなく女子校だろうからそもそも無理だった。