翠星のガルガンティア 12 「決断のとき」

  • 急激に物語を纏めにかかっている感じが否めないのだけど、結果的には敵味方の分離やレドの決意、ガルガンティア本島を離れた側の視点を中心に描かれる人間の在り方、そしてチェインバーという機械とレドとの関係性など、最終回までに処理すべき問題はほとんど解決出来た。起承転結の結に向けて物語を積み重ねているので最終回は綺麗に纏められる気がする。
  • 宇宙という壮大なフィールドから最終的にガルガンティアという小さなフィールドに戦いの場を移行したことは、主人公であるレドの視点で物語が進むことと密接に結び付いている。人類のため、あるいは与えられた任務という大義名分の一切を捨て去ったレドは自らの意思に基づいた選択でガルガンティアを守るために昔の仲間と戦うことになる。集団から個への回帰とも捉えられるし、元々他人任せだった意思決定を自らの手に取り戻したとも言える。
  • 今までまるで行われてこなかったロボット同士の闘いが遂に解き放たれたことで作画が凄まじい力を発揮している。さすが村田和也自らがコンテ切ってるだけあって並の戦闘とはレベルが違う。ジブリボンズで鍛え上げられた劇場作品と見紛うほどの繊細且つ大胆なコンテはコードギアスエウレカセブンを髣髴とさせる。
  • ストーリー・作画・演出全てがクライマックスに向けて最高潮に達しているので最終回で余程のことがない限り前述の通り上手く纏まると思う。振り返ってみると虚淵玄よりも村田和也の功績のほうが大きいアニメになったような気がするが化学反応としては面白かった。