たまゆら 第1話 「おかえりなさいの一年に、なので」

  • 1期の内容を軽くおさらいしつつ2期の展望を提示してみせるという、2期から入った人でも1期から見続けてる人にも優しい、さすが半分は優しさで出来ているアニメだという感じです。コットンティッシュに包まれているかのような雰囲気の中に身を委ねる25分間はトランス状態とはまた違う快楽を得られる。ナチュラルにこちらの涙腺を突ついてくるのも「よし泣かせてやるぞ」という意図が全く感じられないので良い。
  • Aパートで1期の特に印象的な部分をおさらいしつつ、Bパートではぽっての言う「モア アグレッシブ」を実現させようと前に進んで行く。1期の時にはぽってが「周囲との絆を深める」という内向きの内容だったのに対して、この2期ではぽってが自分のやりたいことを探して動き出す(写真部を作る)という外向きの内容にシフトチェンジしてきている。まあ内から外にベクトルが向かうのは至極当然のことなので、ぽっての成長と重ね合わせてストーリーを見ると一層得るものが多い。
  • たまゆらに関しては全くもって悪人のいない世界というかなり創作色の強い空間が形成されているものの、それが不自然だったり創作だからと割り切ることを許さないような強固な世界が既に完成しているのでこちら側も安心して身を委ねることが出来る。悪人がいないということが正常だと疑い無く受け取れる作品というのは本当に稀なのでこのアニメは最後までその矜恃を貫いてほしい。
  • コンテ・演出は佐藤順一と筑紫大介という黄金コンビなので何の問題もなかったし、音楽やキャラクタの動かし方も手練れの域に達していた。この他を寄せ付けない圧倒的安定感を1期のように最後まで保ち続けてほしい。