Free! 3Fr 「理論のドルフィンキック!」

  • 最高だった。脚本なんてもうどうでもいい。というか話自体あんまり頭に入ってこなかった。それくらい作画面におけるレベルがとてつもなく高い。コンテ切ったのは若手最高クラスの実力を誇る小川太一なわけだが(名作と名高いたまこまの朝霧さんの回とかみどり号泣回でお馴染み)、氷菓のコンテ切ってた頃から化け物並みの成長を見せている。
  • まずもってレイアウトが凄い。普通なら避けがちになる真正面あるいは真横の構図を躊躇なく何度も使うという豪胆さに加え、時折見せるアオリや斜めの構図に見られる繊細さが合わさって魔空間を作り上げている。これくらいの凄さになると普段レイアウトとか気にしてない人とかでも気付くんじゃないのか。
  • 真正面や真横の構図を多用するということはあの宮崎駿細田守の系譜に連なる可能性があるということである。まあ小川の場合はナメモノありの構図を平気で多用してくるのでそこらへんで差別化は図られている。視線誘導に意識的なのもテレビアニメ的だったりする。
  • 適度に描写を省くことでテンポを一定に保ちつつ、山場では印象的なレイアウトでインパクトを与えるという、まさにアニメーションならではの表現が詰まった傑作回だった。小川太一はあと3回くらいコンテ切ってくれ。
  • 一応内容の話もしておこうと思ったけど回を重ねるごとに江ちゃんがヒロインっぽくなってるということしか頭に残っていなかった。渡辺明乃にはこのまま男主人公も美少女ヒロインもいける役者の道を歩んでほしい。