有頂天家族 第十一話 「捲土重来」

  • 有頂天家族の中で最も「映像で」見てみたかった話がようやく訪れたのでとにかく終始気持ちが昂ぶっていたのだけど、店そのものが銀閣の変身した姿だという表現がいまいち伝わってなかったのがやや残念だった。まあそのぶんレイアウトの素晴らしさやキャラクタの動作に対する気の配り方が秀でていたので特に不満というわけでもない。
  • 天狗と狸を一つの画面に映し出す時のレイアウトが完璧に計算されていて平伏した。今回はAパートにおける弁天と矢三郎の会話がその象徴である。狸というのは本来の姿だと人間よりも背が低いわけで、そうした物理的なところと能力的なところの二つを重ね合わせた結果、「天狗は狸と話す時に見下ろす」という構図が確立された。
  • 17歳教教祖の演じる下鴨家母ちゃんの溢れんばかりの母性が最高だという話はもう何度か話したので今更取り上げる必要はないのかもしれないが、檻の中にいた母ちゃんが夷川早雲と最後に会話するシーン、そして次回予告のナレーションがこれまた最高だったのでやはり定期的に話題にしなければならない。
  • 以前海星の姿を出してしまった理由がここでようやくわかった。矢四郎を救出するには原作の内容を無視してでもあそこで姿を出さなければならなかった。原作なら活字のみで海星の姿を表現する必要はなかったが、アニメでは海星が矢四郎を救出する一連の流れを「海星本人の姿を実際に描いて」表現する必要がある。