ファンタジスタドール #8 「玉ねぎたまたま 文化の祭り?」

  • 前回によって頭のネジが外れている時の方が面白いとわかったので元の路線に戻ってしまうことが悲しかったのだけど、まさかの二連続頭おかしい話が続いて狂喜乱舞しました。おれが求めているのは全編にわたって頭おかしい話で、今回はAパートで学祭の出し物とかパンとかたまにしか頭おかしい要素が入ってなくて「元に戻ってしまった…」と思ったんだけど、Bパート最後の戦闘のわけのわからなさで全部挽回できた。
  • メタ的な映画を作ったりさり気なくラスボスの雰囲気を漂わせたりとかそういう気配りはよく出来ているのだけど、肝心なストーリー進行が荒っぽいのはどうにもならなそうなんで、再び協力攻撃によりささらが射出されないと面白くならない気がして不安だったが「玉ねぎを切ることで相手の目を眩ませて倒す」という子供騙しにすらなっていない戦闘を見せ付けられて愕然とした。おれはこの発想を一生かけても捻り出せないだろう。
  • うずめの行動原理って他のキャラクタに比べて曖昧で、いまいち何のために戦っているのかわからなくて悶々としてたこともあり、戦闘そのものに意味があるのではなく、戦闘に至るまでの過程に意味があった前回と今回の話は素直に面白かった。

有頂天家族 第九話 「夷川の娘・海星」

  • 話は比較的穏やかな方だったけどエフェクトや背景美術が冴えてて視覚的な刺激は多い。赤玉先生の部屋では視点の上下は無いものの、やはり頑なに上座と下座の位置は守られていて、どうしようもなく覆ることのない天狗と狸の力関係が提示される。
  • 今回は夷川家唯一の良心こと海星がメインなんだけど、衝撃だったのは海星の姿が普通に描写されてしまったことだ。原作では最後まで姿を見せず、読者にもその容姿が明かされないまま終わる、そのミステリアスな存在が魅力に直結しているキャラだったのに普通に顔出ししてしまったので想像の余地がなくなってしまった。しかも風呂場で顔出しという謎の状況。
  • これは原作の意図を汲み取って欲しい部分だったのでかなり落胆したのだけど、まあアニメとしては海星の姿を見せておいたほうが良いのかなーと思い直して何とか許容することができた。海星の容姿がこれにより完全に固定化されてしまったのは勿体ないけどメディアの違いと割り切って諦めるしかない。
  • それ以外の部分は特に問題なかった。前回がかなり波乱万丈といえる回だったので今回のこの穏やかさはバランスがとれてて(原作と流れは同じなんだけど)良かった。次回は原作通りなら個人的に一番気に入ってるシーンが出てくるはず。

進撃の巨人 #21 「鉄槌 ―第57回壁外調査 (5)―」

  • 残念ながらリヴァイ班はほぼ全滅したものの戦闘における作画が近年稀に見るレベルだったので納得せざるを得なかった。アク監二人置くってのはどうなのよと思ったけど作監複数人置いてるのとさほど変わらなかった。もっと修正入ってるのかと思ったらそうでもなかったし。
  • ほとんど原作通りで戦闘に出来る限りの時間を割いてて、リヴァイ班対女型・エレン巨人対女型・ミカサ対女型の3つの戦闘に分けてて、段階踏んでスピード上がるようになっているのが構成の素晴らしいところだった。原作のコマ割りより立体起動装置のモーションとか人間の物理的な動き方を重視したリヴァイ班の戦闘と常識を排除した巨人同士の戦いを対照的に配置して、ラストでミカサというキャラ個人に絞った闘いを伏線的に見せることで休憩する間を与えない鬼畜のような構成だけど今時はこのくらい情報詰まってたほうが良い。
  • 今回味方の戦闘目的は全て「女型の巨人を殺す」で統一されてるけど、そこに対する執着というか目的意識というか、まあ様々な巨人駆逐という行為が生き方の中心にどれほど組み込まれているか、みたいな部分でだいぶ戦い方が違う。もっともミカサの場合は巨人を殺す以前にエレンを救うという目的が第一で、エレンを救うためには巨人を殺すしかない、という結び付けがなされているので厳密には目的の位相が違う。
  • 3つの戦闘の中ではミカサの戦闘が最も展開速度早かったのだけど、個人的にはリヴァイ班が女型の両目を削ってからやられるまでの「どのように戦っているのか」を見せる戦闘の方が良かった。結末はアレだけどアニメーションとしては完璧だったので色々と諦めもついた。