2011年夏アニメ総評

なぜか一部の層に需要がある(らしい)この企画。もはやただの備忘録になりつつあるんですがまあ大目に見てくれれば幸いです。というかこれ元々他人に見せるもんじゃなかったんだよな…。昔から手帳に書きためてた作品評価を世に晒すのは結構負担がデカいんですがとりあえず今回も。春からの2クールものも含みます。一応評価基準再掲。

・評価ポイントは「ストーリー」「キャラクター性」「演出」「作画」「音楽(OP・ED含む)」の5つ。各10点満点
・総合評価(ランク)は「SSS」「SS」「S」「A」「B」「C」「D」「E」「Z」とする(各説明は以下参照)

「SSS」〜生涯愛せるレベル。墓場まで持って行きたい作品
「SS」〜アニメ作品の金字塔になりうるレベルの作品
「S」〜何回観ても面白いと思える傑作。
「A」〜傑作
「B」〜秀作
「C」〜良作
「D」〜凡作
「E」〜駄作
「Z」〜黒歴史

◆今期作品個別評価◆

ロウきゅーぶ!

ロウきゅーぶ

ストーリー 5
キャラクター 6
演出 6
作画 5
音楽 6
総合得点 28点
総合評価 D

ロリものかと見せかけておいてのスポ根ものですよーと宣伝されてたけど蓋を開けたらやっぱりロリものだったお話。
ロリ属性を持っていないおれには中々厳しい場面もあったが、バスケの試合には予想以上に力を入れてて「売上とか実益面ではバスカッシュ超えたかなあ」とか思ったりして観てた。不純とか言うな。
個人的には庇護欲をそそられるキャラなんかは割りと好きだったりするのでひなたがヒロインでいいよもう。中には出さねえ。
そういや「全く、小学生は最高だぜ」Tシャツ発売中止だそうな。全国のロリコン達の悔し涙を集めて水力発電の糧にしよう。


うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVE1000%

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ストーリー 8
キャラクター 8
演出 8
作画 7
音楽 9
総合得点 40点
総合評価 A

今期1つ目のダークホースだった。1話目の時点で既に視聴者引きこむ仕掛けが其処此処にあって「演出の高度さから生まれたギャグと真っ当なシリアス」を同時展開するという異色すぎる乙女学園物語を見事成功させていた。
乙女ゲーが原作でありながら男でもすんなり見れたのは、逆ハーレムに対して春歌が受身であったことが大きいだろう。要するにISの一夏を女にしてヒロインたちを男に…みたいな感じなんだけど、ISみたいに「鈍感」でハーレム築くというわけではなく、そこは乙女ゲーらしく感情の機微は繊細に扱っている。そこが鼻に付かず流れるように最後まで見れた理由の1つ。
男性でこのアニメ観てない人結構多そうなので食わず嫌いせずに最後まで観てほしい。最後は普通に感動できる内容だったよ。


セイクリッドセブン

セイクリ

ストーリー 4
キャラクター 4
演出 6
作画 6
音楽 5
総合得点 25点
総合評価 D

どうしたサンライズ一軍、という感想がまず最初に口を吐いて出てくるくらいには放送前に期待していた。なんつーか感覚が一世代前の人達が作ったアニメ、という感じなのね。ストーリーもキャラデザもそう。どうしても先読みできちゃうんだよなあ。
あとメイド隊の存在意義が最後になるまで発揮されなかったのは残念。アルマとナイトをクロスオーバーさせた展開もより多くあればもう少し盛り上がったんじゃないかな。


異国迷路のクロワーゼ

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ストーリー 8
キャラクター 9
演出 8
作画 8
音楽 9
総合得点 42点
総合評価 A

今期2つ目のダークホース。夏期アニメに限定すれば2番目の出来を誇る作品だった。
ストーリーに起伏が少ないぶんキャラの感情の変化に焦点を当てていて、それが安寧なり感動なりを毎回生み続けていることは偏に素晴らしいとしか。詳しい解説は別エントリを参照のこと。


夏目友人帳 参

夏目

ストーリー 8
キャラクター 8
演出 9
作画 8
音楽 8
総合得点 41点
総合評価 A

しかし3期も続いているというのにここまで安定したクオリティのものを仕上げられるとこれ一生続くんじゃないのかみたいなことをふと考える。だって来年の冬には4期だぜ。その内10期くらいいくんじゃないのか。
内容は新規にもやさしく、しかし確実に1期からの積み重ねが活きていて「これが2期、3期と続けていく秘訣か」と得心した。続くものにはそれなりの理由がある。みなみけおかわり?そんなもんなかったんだよ…
とりあえず夏目の核となる人間と妖怪、大前提すら違う2つの生物を上手く動かしていて、そこがバトル物(ぬら孫とか)とは一線を画している。というかこれは妖怪メインと言うより、妖怪から夏目を中心とした人間を浮き彫りにしていく、といった体の作品なんで動物とか人間以外の生き物に弱いおれとしては結構弱点を突かれる話が多くていろいろ辛い。とりあえず4期早くこい。


快盗天使ツインエンジェル

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ストーリー 4
キャラクター 6
演出 5
作画 5
音楽 5
総合得点 25点
総合評価 D

とりあえず声優力が凄まじいアニメなんだが、ストーリーが後半になるまで覚醒しなかったのが痛い。
ていうか最初は声優目当てで観てたんで作品単体で見たら3話くらいで切ってたかもしれない。
なんかこれもすごく古臭いんだよな。それっていい方向にも悪い方向にも働く要素なんだけど、最近の「古臭い」という要素はどうもマイナスにしか作用していない気がする。


ゆるゆり

ゆるゆり

ストーリー 7
キャラクター 8
演出 8
作画 7
音楽 8
総合得点 38点
総合評価 A

ヒットするべくしてヒットした、といえる作品なのではなかろうか。百合というよりも日常ギャグアニメの延長上にあるアニメなので。百合はあくまでギャグのエッセンスでしかない。詳しくは別エントリを参照のこと。


森田さんは無口。

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ストーリー 3
キャラクター 4
演出 4
作画 4
音楽 4
総合点数 19点
総合評価 E

………。


神様ドォルズ

神様ドォルズ

ストーリー 6
キャラクター 6
演出 6
作画 7
音楽 5
総合点数 30点
総合得点 C

不完全燃焼なんだろ?そうなんだろ?―――はい、不完全燃焼です。
まあ終わりに関しては不完全燃焼というか2期想定みたいな締め方だったんで、次があるんだったら許せるよ、というEND。
全体的には「すごいB級臭漂うアニメ」という印象。ああでも「B級グルメ」とか最近良く使われる方(プラスの意味で)の「B級」なんで。
とりあえず久しぶりに各キャラクタの表情豊かなアニメを観た。この表情の変化が妙なリアルさを生み出していて、詩緒の可愛さも一層強調されていた。というかふくえんさんのキャラは基本ハズレがないんでもうそれだけでいいです。


NO.6

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ストーリー 4
キャラクター 3
演出 5
作画 5
音楽 6
総合得点 23点
総合評価 E

フラクタルの単純強化版とか言ったやつ誰だ。まあ確かに世界観とかは「フラクタルでは出来なかったことをやってる」感じだったけど。しかしBL要素いらんだろ。あと主人公があんまり好きなタイプじゃなかったのが個人的なマイナス要因。ああでもEDは名曲だったね。


BLOOD-C

ブラッドシー

ストーリー 1
キャラクター 1
演出 1
作画 7
音楽 8
総合得点 19点
総合評価 Z

これほど酷いアニメを久々に観た。約2年半ぶりに黒歴史作品が生まれた。
内容も破綻して面白さのかけらもなく、最後まで何のために多用されたのか全くわからない3流以下のグロシーンで視聴者に不快感を与え続け、挙句の果てに映画前提の終わり方で意味もなく我々視聴者にその存在感を叩き込んだという点ではクソアニメになれない糞といったところである。そのくせ映画には5000万円の補助金が出されるとか。もうヲチるためだけに見に行ってやるよ。こんな糞みたいな作品のくせして作画とOP・ED含む音楽関連は今期トップクラスなのが腹立つ…


まよチキ!

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ストーリー 5
キャラクター 7
演出 5
作画 6
音楽 6
総合得点 29点
総合評価 C

最後まで無難なラブコメアニメという印象だったが最終回でナクル回やってくれたことで少し株が上がった。今期のメガネ分はナクルで補給しないといけなかったからな。
とりあえず昨今良くあるハーレムものにみせかけて、金次郎とスバルというルートが既に確定していて、そこにサブヒロインが絡んでくる構図が完成してるのは評価できる。ISみたいなハーレムものって終わり見えないし主人公に苛立つんだよな。その点ではこのアニメはラブコメとしては誠実な作りだったといえる。しかしおれはメインヒロインであるところのスバルよりもナクルのほうが好きだった。その辺はハーレムものと違って結ばれることはないと確定してるんで、活躍を見るにはアンソロジー作品のようなものが必要不可欠になってくるのが辛いところか。


バカとテストと召喚獣にっ!

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ストーリー 6
キャラクター 7
演出 7
作画 6
音楽 6
総合得点 32点
総合評価 C

ストーリーは1期よりも原作準拠の体をとっていて流石の出来なんだけど、これアニメ化された場合どうも1話完結じゃないとテンポが悪くなる傾向にあるようだ。
ギャグ話って基本的に引っ張れば引っ張るほどお寒く見えてしまうというか。同じ方法論で漫才なんかはコンパクトかつ畳み掛けるように纏められてるモノのほうが見てて面白いよね。
あと美波の話の原作前半部分を削ったのは個人的にすごーくいただけないのでその点を考慮しての結果。まあ1期よりは良かった。


神様のメモ帳

神様のメモ帳

ストーリー 3
キャラクター 3
演出 4
作画 6
音楽 4
総合得点 20点
総合評価 E

これは原作改悪もいいところ。1巻しか読んでないけどあの内容を最後にやるんだったら彩夏は救ってやれ。キャラの魅力すら引き出せずにただストーリーに固執した結果そのストーリーすら面白くなかったという悲惨なことに。ていうか視聴者のニーズに893ものを合致させるならば、それこそ『まどか☆マギカ』のような展開にするしか今のところ活路はない。せっかくアリスというストーリーのダークさを中和できるキャラクタが用意されていたにも関わらずその力を発揮させることが出来なかったのは、まあスタッフの力量不足だろう。


いつか天魔の黒ウサギ

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ストーリー 1
キャラクター 2
演出 4
作画 6
音楽 7
総合得点 20点
総合評価 E

はっきり言って全然面白くなくて「何でおれ最後まで観たんだろう」と思ってしまった。もう内容とか頭に入らなくて全部抜けていった。
7回死ねるという最大の特性をほとんどストーリー中で活用させなかった、というかその最大の特性が緊張感の欠如というバトル物においては致命的な欠陥みたいなもんなので、よほど捻った作りをしない限り面白くならないだろうなあという予測は何となく立ってしまった。あとキャラクタが暴言はいてるだけで何の魅力もない。良かったのは音楽くらいだな。


猫神やおよろず

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ストーリー 7
キャラクター 7
演出 6
作画 7
音楽 5
総合得点 32点
総合評価 C

不当に低い評価を受けている気がする。もうちっと盛り上がってもいい。
過去と現在の時間軸を利用してシリアスだったり真面目な話とギャグの区別をつけていたのは中々。ワンピース的手法なので既視感あった人もいたんじゃないだろうか。
キャラ立ちが1、2話でしっかり成されていたのでその後が非常に見やすい。ストーリーも安定していて手堅い良作になっていたと思う。


R-15

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ストーリー 2
キャラクター 4
演出 4
作画 5
音楽 4
総合得点 19点
総合評価 E

バカすぎるクソアニメ。だがこのスタンスは嫌いじゃない。年に何本かのこうした愛すべきクソアニメがあるおかげで他の素晴らしいアニメが相対的に光り輝くのである。
こうやって年に数作品がクソアニメオブザイヤーのノミネート候補へと送られていく…


魔乳秘剣帖

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ストーリー 7
キャラクター 7
演出 8
作画 5
音楽 7
総合得点 34点
総合評価 B

おっぱいを武器にして戦うのかと思いきやおっぱいが武器を持って戦っていた。
クェイサーの類似作品かと思ったらとんでもない、これは低俗を通り越したギャグの数々をマシンガンのごとく繰り出してくる超絶ギャグアニメである。正直今年のギャグ作品の中では一番笑ったかもしれない。おれこういう下らないネタのほうが好きなんだよな。


ダンタリアンの書架

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ストーリー 6
キャラクター 7
演出 7
作画 5
音楽 4
総合得点 29点
総合評価 D

決して悪くはなかった。中盤の話は何だかんだで結構楽しめたし。しかし序盤と最後が意味不明だったのが惜しい。
人喰い植物以降の話はかなり安定してて、あの水準で続けてくれれば33〜35くらいはいったかも。焚書官の回とか説明ほとんど無くても物語としてかなり楽しめたしなあ。10話以降の失速が実にもったいない。
まあ今期はうたプリの正統派ヒロイン、このアニメでの正統派(?)ロリキャラと沢城みゆき成分を補給できたのでその意味ではこの夏は非常に意義深かったとも言える。


日常

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ストーリー 4
キャラクター 6
演出 6
作画 8
音楽 6
総合得点 30点
総合評価 C

非常に評価に困る作品だった。面白いか、面白く無いかと問われれば「面白くなかった」と言える。
しかし無駄な京アニクオリティを発揮しギャグアニメとは思えないほどの演出(廊下ダッシュ、ミサイル乱射など)を繰り広げてくれたのでそこら辺はきちっと勘定に入れなければならない。
個人的に、あくまで個人的に思うことなんだけど、「シュール」って言葉は結局逃げでしか無いと思うのよな。これの類義語として「個性派」とかがある。
「シュール」とか「個性派」といった言葉で「わかるやつにはわかる」とか「これは玄人向け」とかいう雰囲気醸し出すのはいけ好かない。そんなもん作ってどうすんだ。万人にウケなければ結局は無意味だろ。
と言いつつもおれは売りスレ爆発しろと思ったりもするんで、まあパラドックスだよな。しかし「ウケる=売上が良い」ってわけじゃないからな。どっちかっつうと「ウケる=面白い」みたいな捉え方。
あとヒャダインは別に悪くなかったと思うぞ。


青の祓魔師

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ストーリー 7
キャラクター 5
演出 6
作画 7
音楽 6
総合得点 31点
総合評価 C

後半の展開を急ぎすぎた。劇場版製作決定とはいえこれはちょっと無理やり収束させた感が否めない。
個人的には中盤の展開(アニメオリジナルも含む)がかなり好きだったのであの路線でなんとかならないものか、と思った。キャラクタたち、特に出雲の動かし方が面白かったので。
とりあえず映画は血Cより気になるので見に行こうかな。


花咲くいろは

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ストーリー 8
キャラクター 8
演出 9
作画 10
音楽 8
総合得点 43点
総合評価 A

詳しくは別エントリを参照のこと。


TIGER&BUNNY

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ストーリー 9
キャラクター 10
演出 9
作画 7
音楽 9
総合得点 44点
総合評価 A

詳しくは別エントリを参照のこと。


STEINS;GATE

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ストーリー 9
キャラクター 9
演出 9
作画 7
音楽 9
総合得点 43点
総合評価 A

とにかく22話が夏観たどの作品のどの回よりも素晴らしかった。が、それにしては最終回があっさりすぎて拍子抜けした。まあ劇場版製作が決まっていたからだろうな。個人的には最終回でのカタルシスをもっと大々的に演出してほしかったな。それ以外のストーリーに関しては文句無しの出来。
あと作画の乱れが中々に中々だったので「うーん」といったところ。しかしいつもはメインヒロインを食うはなざーキャラがサブヒロインに収まっていたあたり、紅莉栖というキャラは改めて凄まじい魅力をもつキャラだったんだなーとしみじみ。
とりあえず映画は必ず見に行く。こっちが完璧だったらもう言うことなし。


うさぎドロップ

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ストーリー 9
キャラクター 10
演出 10
作画 8
音楽 9
総合得点 46点
総合評価 S

今年2つめの「S」以上の評価を下した作品。まどか☆マギカがなかったら現時点で2011年ベストアニメだったんだがなあ。今年は激戦区すぎる。
詳しくは別エントリを参照のこと。


◆ベストキャラクタ◆

女性

1位 鹿賀りん
2位 牧瀬紅莉栖
3位 押水菜子

決まりきった勝利。


男性

1位 鏑木虎鉄(タイガー)
2位 河地大吉
3位 夏目貴志

今期のオジサンキャラのかっこ良さは異常。


人間以外(特別枠)

1位 にゃんこ先生

もふもふしたい。


◆今期ベスト主題歌◆

OP神様ドォルズ OP 『不完全燃焼(石川智晶)』

フカンゼンネンショウナンダローソウナンダロー

EDBLOOD-C ED 『純潔パラドックス(水樹奈々)』

あんな糞アニメにこんな神曲が使われるなんてもったいない…


◆今期ベストアクター◆

女性松浦愛弓(りんの中の子)

そこら辺の新人よりも遙かに上手く、そして末恐ろしいほどの演技力だった。この子は将来声優になるんだろうか…

男性平田広明

タイガーさんがかっこ良すぎたので。


◆今期最高回◆
シュタゲ1シュタゲ2

STEINS;GATE 22話

詳しくは別エントリを参照のこと。


◆今期アニメベスト3◆
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1位 うさぎドロップ
2位 TIGER&BUNNY
3位 STEINS;GATE




今期はとにかくうさぎドロップが強すぎた。癒しとも違う何かがある。これを生きてる内に見られたことは物凄く幸運だったんだろう。
あとは最大のダークホース、タイバニがとにかく白熱して面白かった。シュタゲは中盤以降の畳み掛けるような展開にハマった。僅差でいろはが4位。
そしてもう秋アニメが始まっているわけですが、1話の雑感がどれもちょっと長めになってしまったので個別でエントリ書くことに。予想通りFate/Zeroは凄まじい出来だった。