いつものあれです。多分説明不要だろう。。
↓いつもの。
評価方法
・評価ポイントは「ストーリー」「キャラクター性」「演出」「作画」「音楽(OP・ED含む)」の5つ。各10点満点
・総合評価(ランク)は「SSS」「SS」「S」「A」「B」「C」「D」「E」「Z」とする(各説明は以下参照)「SSS」〜生涯愛せる、墓場まで持って行きたい作品
「SS」〜アニメ作品の金字塔レベルの作品
「S」〜何度観ても面白いと思える傑作。
「A」〜傑作
「B」〜秀作
「C」〜良作
「D」〜凡作
「E」〜駄作
「Z」〜黒歴史
ZETMAN
ストーリー 7
キャラクター 8
演出 8
作画 7
音楽 7
総合得点 37点
総合評価 B
桂正和がアニメを「原作を遥かに超える救いのない終わり方」と評していただけのことはある。人間の道を捨ててまで正義という概念そのものになろうとした高雅と、正義より自らの信念に従った人が、結果的に最後まで袂を分かつことになってしまったことに人間の意思統一の不可能性を感じさせる。この物語は人間とプレイヤーとの関係を描くことで、結果的に人間と人間の関係を浮き彫りにするという構造であり、その歪さが一層人間の悪とされる部分(欲望、謀略、嗜虐)を印象付けていた。「プレイヤーの存在が悪」というより、プレイヤーを生み出してしまった人間の罪という部分と、人間とプレイヤーの両方の要素を備えている者が危害を加えるプレイヤーを排除し得るという前提のもと存在している人の宿命、そしてその存在と対立軸にある純粋な人間であり確固たる意思を貫こうとする高雅、この3点に絞って「何が正しくて何が間違っているのか」という抽象的命題を出来るだけ具体的に示して見せた、というアニメだった。
個人的に1番気に入っているのは絶望から這い上がって希望の光を見せる過程が素晴らしかった1話なんだが、今まで紆余曲折あり辿り着いた先がこの最終回、と考えればそれなりに感慨深くもある。ただ花子の扱いが少し雑だったり、灰谷の思惑が「自らが殺されてでも人をヒーローのような存在にする」ならばいくらでもやりようがあったという点など不満な部分も幾つかある。もちろん完璧な作品なんてこの世には存在しないし、完璧ではないからこそ(その不完全さに)心が掴まれるのだろうから、欠点はいくらでも長所に変えることが可能ではある。
クイーンズブレイド リベリオン
ストーリー 4
キャラクター 6
演出 5
作画 5
音楽 5
総合得点 25点
総合評価 D
前作、前前作に対していまいち脚本の詰めが甘いし、見せ方も予算少ないんかなーという感じであんま惹きつけられない。
いや、そもそもこれをバトルアニメ・百合アニメ・声優アニメ・紳士アニメ、のどれとして観てるかによってたぶん評価は全く違ったものになってくるんだと思う。声優としては今期上級、百合・紳士では中級、バトルものとしては下級みたいな内訳になるだろうか。しかし総合するとどうもストーリーの酷さや戦闘の手抜きさが足を引っ張って平均より下に位置する作品になってしまうんだよな。せっかく遠藤綾主役(これ重要)で脇を若手〜中堅クラスの実力派の役者で固めてるのにもったいない。
そういや釘宮が巨乳キャラ演じてるのって珍しいな。そういう意味ではこのアニメのことを覚えておく必要がありそうだな。
これはゾンビですか? OF THE DEAD
ストーリー 7
キャラクター 9
演出 7
作画 7
音楽 7
総合得点 36点
総合評価 B
毎回ハズレなしという1期を遥かに凌ぐクオリティだったのに僅か10話で終わるとは世はまさに諸行無常である。初回からずっとギャグに重点を置きますよ、という一貫した姿勢の元最後まで作られていたし、ラブコメのフェーズであっても癖をつけることでキャラ力のみに酩酊することなく原作の力込みで押し切った力業には感動すら覚える。
記憶喪失ネタとか最終回の鉄板ネタと溶解スライムみたいないつもの下らないネタを混ぜ合わせてはいるものの、バトルとシリアスの両要素を極限まで削っているため流れるように観られる。最後にユーとハルナの2人で歩を救ったという事実はまさかのハーレムエンドを示唆しているのだろうか。
とは言え最終回で無難に纏めたり、あるいはふざけたり一発逆転狙おうとして盛大に自爆する作品を数多く目にしているので、このアニメの終わり方には概ね満足している。だがトモノリの出番が少ないのはつらい。最初に出まくったせいなのか。
LUPIN the Third 〜峰不二子という女〜
ストーリー 7
キャラクター 7
演出 9
作画 9
音楽 7
総合得点 39点
総合評価 A
とにかく最終回を受け入れるのに時間がかかった。これについては賛否両論あるだろう。おれも見終わった直後は某呟きSNSで愚痴っていたし。
しかし何回か見返すとこの裏切りこそがルパン3世という物語なんだよなーと思い直すようになった。峰不二子という女は結局大多数の視聴者が思い浮かべる、あの峰不二子でしかなかったということだろう。誰がどう手を加えようが峰不二子は謎のままなのである。
物語として破綻してる部分はないし、不二子の記憶ではないと発覚したあたりからの盛り上げ方も上手かった。不二子に関しては夢オチに近いこと、オスカー完全放置ということの2点を除けば案外いい最終回だったのではないだろうか。ああ、あと最後くらい五右衛門を普通の格好に戻してやってほしかった。
序盤、特に1話2話あたりの出来は演出作画含めほとんど完璧で、ここだけ円盤買いたいと思ってたんだがこれBOX発売なんだよな。F/ZがBOX販売で成功したからそれに倣ってるんだろうか。
めだかボックス
ストーリー 5
キャラクター 7
演出 6
作画 5
音楽 5
総合得点 28点
総合評価 D
最終回は開始2分で脚本が西尾維新だとわかった。本当わかりやすいというか、癖のあるメタネタとかセリフ回しを多用するんだよな。メディアミックスのくだりとかまさにそれ。あとカメラワークが若干化物語を意識してて、
全体的な演出としては今までで一番細かいところにまで気を回していた話だった。さすが最終回。
内容としては原作の中でも序盤も序盤、まだ盛り上がりの少ない部分なので正直そんな面白くはなかった。あと肝心要の主人公めだかちゃんの声だったり。マイナスポイントの方が目立っていた感じ。
まあめだかボックスと言えば球磨川だろというおれのような読者にとっては2期以降の展開に期待するしかない。
あっちこっち
ストーリー 3
キャラクター 3
演出 3
作画 6
音楽 5
総合得点 20点
総合評価 E
「何があっちこっちだよこっち来んなよあっち行ってろ」という名文のおかげで面白さが心なしか2割増しされてるような気がする(しない)。
これ原作のテンポはそんな悪くないらしいのでやっぱりアニメ化した際にテンポが崩れてると考えるのが妥当だろう。そうすると思い至る先は幕間に入る矢印演出になる。あれを挟まなければ案外すんなり観れたのではないかと思っている。「それ町」のあの所々でジョセフィーヌが入ってくる余計な演出と同じ類。
あと主人公がそんなイケメンに見えないせいであらゆるセリフが寒く感じられて結果ほとんどのネタが空回りしてる状態になってるのは痛々しかった。今時そういうナルシストというか万人の感覚に通じない様なネタ仕込むのはアングラ志向の作品でない限り危険だと思うんだがな。
さんかれあ
ストーリー 5
キャラクター 7
演出 9
作画 8
音楽 7
総合得点 36点
総合評価 B
Bパート終わったときは本当に驚いた。こんなもん終わりじゃないだろ意味がわからんという怒りさえ湧いた。そして待てど暮らせどCパートはやってこなかった。もう泣くしかなかった。
親父との最終決戦ではなく嵐子と礼亜が互いを千尋をめぐるライバルとして認識する回を最終回にもってくる、という点においては一応2期が考えられる。一区切りつけて終了ではなく、新たな展望を示して終了、というのは様々なアニメ作品に見られることでこれに対して不満を抱くことも多いんだけど、このアニメはこの終わり方の方が幸せというか、救いがあるように見える(この時点で終わっていた場合は)。
しかし問題は締めの場所がそこではなく「礼亜が千尋を噛んで終了」という謎の部分だったことにある。なぜ2期が決定している訳でもないのに尾を引くようなホラー調の終わり方にしたのか。
原作も続いているし、所々でオリジナルストーリーを混ぜてきて中々落とし所に困っていた様子は見受けられたけど、最後の千尋が噛まれるシークエンスは入れなくても充分綺麗にまとめられただろう。
このアニメで突出して素晴らしいのは言うまでもなく演出で、そこにストーリーやキャラクタの心の動きを乗っけてるという様に見えた。ゾンビとラブコメと人間の生死という大味の要素に対してストーリーは極めて繊細なので、結果的に物語はスローペースで進んでいった。
爆発する要素はたくさん備えていたのにどれも効果を最大限発揮出来ずに終わってしまったのが残念。過去編ではなく現在の礼亜や嵐子、萌路の掘り下げ回がもっとあればよかった。
夏色キセキ
ストーリー 5
キャラクター 5
演出 6
作画 3
音楽 8
総合得点 27点
総合評価 D
いいんだ、夏色キセキは御都合主義で終わってくれて構わないんだ。奇跡なんだから何でもありなんだ。それはおれたち視聴者が1話の時点で学んでおくべきことだ。
最終回に関して言えばちょうどいい落としどころに持ち込んだというか、アイドルデビューしてこれが後のスフィアである、とかやらなくてよかったというか。良くも悪くも捻りの一切無い直球王道の終わり方だった。
「終わらないものは思い出になってくれない」ってのが今回のハイライトであり、このアニメ全体を通して伝えたかったであろうことが集約されてるセリフでもある。誰しも一度は「終わらせる決断」を迫られる時が来て、その時どう対応するかが重要になる。ダラダラ続けることに終止符を打つ、という意味では個人的な問題の範疇に留まらず、コンテンツなんかにも当てはまったりするな。
作画は置いといて、ストーリーに関しては頭おかしいくらいが丁度いいらしいということがアニメ中盤でわかってきたので、それについてとやかく言うのは野暮かなーというところだ。
あとスフィアごり押しとか散々言われていた音楽方面だけど、EDを中心にわりと良曲が揃っていたので特に文句なし。
Fate/Zero セカンドシーズン
ストーリー 9
キャラクター 9
演出 9
作画 8
音楽 9
総合得点 44点
総合評価 A
徹頭徹尾『Fate/Zero』という作品の矜持を貫いていて、その姿勢と関与するスタッフやキャストの士気の高さや、それに比例するように上がっていくハードルを何度も乗り越えてゆく脚本・構成・演出といったアニメーションの中核部分のレベルの高さが嫌というほど伝わってきた、ある種魔物のような作品だった。
「Zeroに至る物語」という前提があって、この「ゼロ地点」はSNの方を見た、あるいは原作をプレイした者なら既に知っているわけで、必然的にこのアニメは「ゼロ地点に至るまでをいかに面白く見せるか」という命題と戦うことになるんだが、これだけ人気を博していることから窺える通り、そのプロセスが非常に面白かった。個人的には1クール目終盤から2クール目中盤にかけての怒涛の展開が気に入っていて、あそこは制作側も気合い入っていたらしく、作画はもちろん演出が劇場版的手法で画面をフルに使った壮大な戦いや丁寧に構成された会話劇が生み出す緩急に引き込まれた。
最終回で切嗣やセイバーに希望を残す終わり方だったのはもちろんSNに繋げるためであり、あくまでFate/Zeroはこの残された希望(士郎・凛)のための前日譚のような立ち位置である、というスタンスが最後まで貫かれていた。切嗣が喪失から再生へと向かう一方で綺礼が凛や葵(生きててよかった)と近しい位置で接触しているのもSNへの布石であるし、やはりこの勢いを保ったままもう一度SNを放送すればいいと思う。それは2006年度に放送されたスタジオディーン制作のものでもいいし、新たにufotableが制作するというのならそれもそれでいいと思う。おれは多くの人間が嫌っているほど06年のSNを嫌ってはいないし。
完璧とは言いがたいけれども、近年のアニメ作品に必要とされる要素を最大限備えていたし、何よりこのアニメに関わるほとんどの人間が好意的なメッセージを発してるのは見ていて気持ちよかった。放送本数絞ってこのレベルのアニメーション作品を年に3,4本作ればいいのではと思わせるほどの説得力と吸引力のある今年屈指の出来を誇る作品。
謎の彼女X
ストーリー 5
キャラクター 7
演出 8
作画 6
音楽 8
総合得点 34点
総合評価 B
最初こそよだれの交配に抵抗感があったものの、根底に流れていたのはどこまでも真っ直ぐで純情な恋物語であり、そのうえでよだれの交配は2人を繋ぐ絆の証として当たり前になり抵抗感もなくなった。
変態的とか上級者向けと言われていたがそれは上辺の要素で、そこを分け入って先に進むと奥手な2人が探り探り互いに歩み寄っている、高校生らしいと言えば高校生らしい恋愛をしている作品だった。だからよだれの交配に重点を置いたのは物語前半部分で、この頃は二人の絆が確立されていない不安定な状態だったため、よだれの交配でしか互いが繋がっていることの安心感を得られなかった。それに卜部が意識的であるかどうかはわからないけど、椿は終始意識的だった。
そして個人的に今期トップクラスだった最終回。恋愛や家族といった繋がりの中の絆にフォーカスしつつ、1話から積み重ねてきたよだれの交配の意味を再確認。これ以上ないほど綺麗な終わり方だった。綺麗すぎて続編作るの難しいだろう…と思わせるほど。
ちょっと古めかしいキャラデザや音楽もよだれと同じく何度も観ている/聞いているうちに慣れてきて、今や卜部はこのキャラデザじゃなきゃ卜部じゃないと確信を持って言える。このアニメから教わった一番大きなことは「慣れる」ことかもしれない。
黄昏乙女×アムネジア
ストーリー 7
キャラクター 10
演出 9
作画 9
音楽 8
総合得点 42点
総合評価 A
終わるのが非常に寂しいアニメだった。夕子さんに会うためには過去の映像の中に潜るしかないという事に絶望している。そこには新しい表情や仕草や言葉を発する夕子さんは存在しないのだ。皮肉にもこれは夕子さんが本当の幽霊のような存在として視聴者側にも受け取られる様になってしまう。そういう意味では放送終了したアニメ作品に登場するキャラクターはみな幽霊の様な存在と言えるのかもしれない。
やっぱこう喜怒哀楽に満ちた夕子さんの方が(幽霊なのに)人間味溢れてて素晴らしいので、この夕子さんが観られるのは最終回だけということに泣いている。なんで影夕子のネタ前半で消化してこの夕子さんで後半日常ネタやるという考えに至らなかったのか。
最終回が最高という、昨今のアニメ作品においては非常に喜ばしいフィナーレだった。ご都合主義結構。この終わり方なら2期も充分にできる。原作ストック溜めて今度は日常ネタ中心にやってもらいたい。最終回で最も印象的だった筆談というのは文字だけの羅列であって、それに対して貞一の肉声で返し、それがコミュニケーションとして成立してるのがとても美しい。演出・音楽含め全精力使って泣かせにかかっている。そしてその後夕子さんが地縛霊から背後霊にクラスチェンジしたんならこれからどこにでも行けるということで(夕子さんにとって)ハッピーエンドと考えていいだろう。
とにかく最終回込みで今期トップクラスだった。大沼心演出もプラスに働いていたし、色彩や心情描写の映像表現も独特で綺麗だった。途中から原作にないオリジナル展開だったらしいけど違和感なく馴染んでたし、全体としてよく纏まった作品になっていた。
咲-Saki- 阿知賀編 episode of side-A
ストーリー 6
キャラクター 7
演出 8
作画 8
音楽 7
総合得点 36点
総合評価 B
本当は全15話らしいんだけど、地上波放送ではこれが最終回という扱いらしいし残り3話がいつ放送されるか全くわからないのでここまでの内容で書くことに。
全体通して見ると本編よりもやっぱり劣るし何より主役キャラクタの個性や魅力が見えてこない。それよりも怜や竜華といった千里山女子の面子やすばら先輩といった、ライバルにあたるキャラクタの方が個性的でキャラが立っていた(冗談で「これじゃ咲-saki-じゃなくて怜-toki-だよ…」と呟いたら結構反応があって苦笑した)。
中盤までは麻雀描写も少なく盛り上がりに欠けていたものの、準決勝から怒涛の追い上げを見せ何とか第一線に復帰。最強の敵である照を前にして玄、怜、すばら先輩の3人が共闘して立ち向かう描写は熱く否応なしに惹き込ませる。全編にわたってこの準決勝先鋒戦のようなレベルの話だったらかなり良い線いってたと思う。
しかしまあこの阿智賀編の12話、玄がドラを切ることができるようになるための成長物語と考えれば思いの外納得できてしまう不思議。主役は穏乃ではなく玄だったか。
とりあえず先鋒戦のレベルの高さを維持できるならば今後おそらく配信か何かで公開されるであろう13〜15話には充分に期待できると思う。
這いよれ!ニャル子さん
ストーリー 6
キャラクター 9
演出 7
作画 8
音楽 10
総合得点 40点
総合評価 A
1話から小休止を挟むことなく最後までノリと勢いで突っ走ったような作品。衝撃的かつ中毒性の高いOP曲含め、今期の中では一際異彩を放っていたのになぜか爆発的に人気が出てそのままメインフィールドにまで躍り出たギャグ・ラブコメアニメだった。
まあニャル子さんというコンテンツがFlashアニメ化された頃から観ていた人間としては、ひとえにこれだけ充実した内容と遊び心あるパロディ、そしてぬるぬる動く這い寄る混沌達を見られただけでも僥倖であり、必然的にこのアニメに対する評価は他人より高くなってしまう。あとこれはなんというか、あんまり客観視できないタイプのアニメなんだよな。それは恐らくパロディの元ネタを「知っている」ことでアニメの「内側」に位置付けられるからだろう。そういう意味で、パロディネタというのは視聴者を「知っているか」「知らないか」で二分化してしまう諸刃の剣であるとも言える。
もちろんパロディネタだけでなく、変態性に特化したキャラクタ達も魅力の一つであり、特に世の男性たちに「あれ、ショタもありじゃね…?」と思わせた蠱惑的存在ハス太は釘宮ボイスの新境地を開拓したという意味でも記憶に刻みつけておくべきキャラクタだろう。阿澄ボイスの真骨頂であるニャル子さんは言わずもがな。最後に出てきたぐたたんもオリジナルキャラクタとは思えないほどキャラが確立していた。キタエリの少年ボイスも今回真尋を演じたことによってかなり鍛えられたのでは。
ストーリーを除く(まあ有ってないようなものだし)全ての要素が高水準で揃っていて、特殊部隊が多かった今期アニメの中でも群を抜いて特殊でありながらどこまでも王道を目指そうとした野心的アニメ。ぜひとも2期が観たい。
ヨルムンガンド
ストーリー 7
キャラクター 8
演出 9
作画 7
音楽 8
総合得点 39点
総合評価 A
分割2クールという話は比較的早い段階でアナウンスされていたので幕の引き方も大体想像は付いた。しかしヴァルメが死ななかったということに関してはこういったタイプの作品には珍しくて驚いたし、そういう路線をとってくれることは歓迎する。
「ピカレスクガンアニメ」という枠に充てがわれてはいるものの、実際ココ達は神視点で観ても悪人というよりは善人のように見えて、そのズレが一種の爽快感というかカタルシスを得られる効果をもっており、血生臭い事件であってもあまり抵抗なく受け入れられる。
ココという圧倒的存在感をもったキャラクタと、ヨナという発展途上のキャラクタを対立させるのではなく一緒に行動させることで、結果的に両者の内面・外面をより前面に出せていたんだけど、同時にココの仲間たちの存在感があまり出せていなかったのが物足りないところ。そういった部分を2期で補ってくれたらいい。
坂道のアポロン
ストーリー 6
キャラクター 9
演出 10
作画 10
音楽 10
総合得点 45点
総合評価 A
詳しくは別エントリで。
つり球
ストーリー 8
キャラクター 9
演出 8
作画 8
音楽 7
総合得点 40点
総合評価 A
最終回まで観ても尚面白いと言える作品だった。春アニメの中でも1,2を争うほどの完成度で、圧倒的なまでの最終回の爽快感は今期どころか近年随一。癖の強い中村健二作品の中では異質なまでに奇を衒わない王道の青春物語で、モノノ怪から追ってる者としては感動すら覚える完成度だった。
評価できる点は数多くあるが、主人公であるユキが目に見えて成長していく点(最後の最後でユキがご静聴(成長)ありがとうございました、と言ってることからも成長物語だったことがわかる)と、物凄く動かしづらそうなキャラである25歳インド人高校生を一番のキーパーソンにまで押し上げた点はともにこの作品のキャラメイクの力の凄さを感じる。
またストーリー進行やそれに伴う伏線回収も上手くて、1話から小出しにしていた江ノ島踊りを最終回の重要な部分にまで絡めたり、天女の伝説や釣りという要素を最後までメインとして使っていた。
あのべた塗り世界を最大限に活用された演出も世界観確立とストーリーの盛り上げに生かされていた。あの絵でなかったらこのアニメは完成しなかっただろう。
上述のように最終回の別れが一切湿っぽくならないのは本当に素晴らしくて(Cパートでハルが帰ってきたとこ含め物凄く良かった)、無理に狙ったようなお涙頂戴エピソードを最後に入れてくる最近のアニメとは一線を画している。スッキリしたい時に観たいアニメの筆頭に選出できそうだ。
シャイニング・ハーツ 〜幸せのパン〜
ストーリー 3
キャラクター 4
演出 5
作画 3(10)
音楽 9
総合得点 24(31)点
総合評価 E
最終回前半は体力無くなりかけてるリックから食べ掛けのパンを貰ってるカグヤに笑わされ、後半ではリックがいなくても平常営業しているル・クールに笑わされた。結局このアニメは何がしたかったんだ。
最後に三人娘がリックを起こしにくるシークエンスはもちろん1話の反復なんだけど、ここでリックがもう既に起きているというのが1話からリックが思い悩んできて最終的に成長というか、考えや仕事に関する価値観の変化がもたらした結果なんだろう。
いやしかし何度も言ってるけど本当に惜しいアニメで、正直ストーリーには特に起伏もなくて万人向きとは言えず、普通に考えてこれ売れるわけがないんだけど、1話の路線をずっとたどっていれば歴史には名を残すアニメになったと思う。Rioがまだ我々の記憶に刻みつけられているように。
AKB0048
ストーリー 7
キャラクター 6
演出 5
作画 5
音楽 7
総合得点 30点
総合評価 C
やはり分割2クールだった。そりゃそうだ。張られた伏線や生かしきれていない設定が数多く残っているし、むしろここで終わられる方が気持ち悪い。どんな展開になろうともここまで着いて来たんだしそれなりの覚悟はある。
始まる前はストーリー以前に主要メンバーを演じているのが全員AKBという素人集団の状態でどうなるのか、という基礎演技面での心配が先立っていて、実際始まったときは「こりゃ酷い…」とか思ってたんだけど、回を重ねるごとに不思議と慣れてきてて、これに慣れることが出来たのだから他のどんな声優の棒演技にも耐えられるだろうなーという自信がついた。
ストーリーに関しては脚本の岡田磨理よりも監督の河森の色が強く出ていた。SFの世界観を土台に現実のアイドルを乗せるというパラドックスの中で産み落とされたのは「アイドル(音楽)は人々の生命を繋ぐ娯楽たり得るか」という命題だった。
しかしこのアニメの面白いところはそんな命題なんか知るかとばかりにAKBの内輪での人間関係を中心に最後まで描いたとこにあるだろう。SF的世界の中で生きてく上での成長ではなく、SF要素などの一切を切り離した上で研究生の成長物語を描いているので、SF方面を求めていた視聴者にとっては物足りない結果になったという印象。最後に無理矢理全ての要素を合体させてきたけれど、これをもうちょっと早い段階でやってほしかった。
あとライブの3D映像がチープに見えてしまうのはどうにかならなかったのか、と残念に思う。アイマスとかの「絵」で勝負するライブ映像とか見てしまっているからなー。キャラデザもそこまで良くないので余計につらい。
取り敢えずこの物語はまだ続いているし、全てを評価するのは2クール目が終わってからでもいいだろう。
君と僕。2
ストーリー 9
キャラクター 8
演出 9
作画 8
音楽 9
総合得点 40点
総合評価 A
今期一番最終回らしくない最終回で締めくくられた作品だった。次回もまた普通に放送されると言われれば信じてしまうと思う。
とにかく話ごとに出来不出来の激しいアニメだった。5話目までは低空飛行を続けていたが、6話目以降急激に上昇し12話で頂点に辿り着いた。
今期一番のアニメを話数単位で選ぶのならこのアニメからの選出が一番多いんだけど、それと同時に最低ラインのアニメを話数単位で選ぶにしてもこのアニメからの選出がわりと多くなりそうなのが複雑である。正直、全てが6話と12話レベルの話だったら余裕でBD買っただろうし今期どころか今年の中でも間違いなく五本の指に入るだろう、と宣言していた。ゆるホモ要素や春の声とかでこのアニメを避けてる人にもとにかく上述した2話だけでも観てもらいたい。「別れ」をテーマにして清々しさとほろ苦さをこれほど上手く合わせられた話は観たことがない。「君と僕」の作者がこの路線の話だけ書いた短編集とかあれば読んでみたい。
うぽって
ストーリー 5
キャラクター 5
演出 6
作画 7
音楽 7
総合得点 30点
総合評価 C
まず10話で終わりだという事実に驚いている。これゾンは事前情報あったけどこのアニメはあったっけ。見落としてただけか。
なんかシリアスにも徹し切れなかったという最終回なんだが、このアニメ自体キャラが銃の擬人化ということで当然撃たれても死なないようになっているため緊張感が抑えられる形になっているし、それを指摘するのは今更なのかなーという感じがする。
シナリオやキャラの動かし方がどこまでもB級臭さを保ったままで、おれはその空気が好きだったんだけど最後にして脚本が適当になってるのがつらい。銃の擬人化という存在であるふんこたちが撃った銃弾は人間に当たっても死なないとかそんな超重要な設定最初から出しとけよ…
最初は良かったんだけどそれからどんどん右肩下がりになっていく作品の典型で、もう少し本気出してりゃB級として中々の位置にいられただろ…という残念さが付き纏うのは仕方ない。せめてあと2話あれば綺麗に着地できたかもしれない。
リコーダーとランドセル
ストーリー 3
キャラクター 4
演出 4
作画 6
音楽 3
総合得点 20点
総合評価 E
最後まで逮捕オチを使うという鉄板ぶりをアピールしていたもののそのアピールは全く効果的ではないのであった。
総合的に見ると森田さんと同レベルっぽい。森田さんより登場人物が多いはずなんだけど話の広がりがあんまりなったのが残念。ここらへんに3分アニメというコンテンツの限界を感じる。
モーレツ宇宙海賊
ストーリー 10
キャラクター 9
演出 9
作画 9
音楽 9
総合得点 47点
総合評価 S
詳しくは別エントリで。
アクエリオンEVOL
ストーリー 8
キャラクター 9
演出 9
作画 7
音楽 9
総合得点 42点
総合評価 A
詳しくは別エントリで。
女性
1位 庚夕子
2位 迎律子
2位 佐倉花代
2位 相田静奈
下三人の順位が全く付けられなかった。あと茉莉香とかセイバーとか。
男性
1位 ライダー
2位 ルパン三世
3位 アキラ・アガルカール・山田
圧倒的な存在感でライダーをトップに。
人間以外(特別枠)
1位 シャンタッ君
ここでは触れてなかったんだけど物凄く愛らしかったので。育てたい。
OP這いよれ!ニャル子さんOP 『太陽曰く燃えよカオス(後ろから這いより隊G)』
インパクトが一番大きかったという点を評価。
EDシャイニング・ハーツ 〜幸せのパン〜 ED 『ふわっふわのまほう(アミル(伊藤かな恵)、ネリス(相沢舞)、エアリィ(三上枝織))』
これもインパクト重視。あとEDで制作側の意図と全く関係なく笑わされたの久しぶりだったので。
君と僕。2 『Colorless blue』
まあこれだよなあ。11話もこれに匹敵する神回というべき出来でどっちにしようか悩んだんだけどこっちの方がアニメーションとしてもひとつのエピソードとしても完成度が高かったので。
1位 モーレツ宇宙海賊
2位 坂道のアポロン
3位 Fate/Zero セカンドシーズン
今期はモーレツ宇宙海賊が飛び抜けて1位。久々の本格的スペースオペラを見せてもらった。
アポロンは2クール使って原作を丁寧にアニメ化していれば評価はもっと高くなった。最後まで薫と千太郎の友情関係に固執していたのも残念な点。
Fate/Zeroはセカンドシーズンにしてついに終幕、原作ファンも新規ファンも納得の出来でアニメーションの可能性を拡大するような映像が印象的だった。
全体通してみると名作クラスの作品と駄作クラスの作品に二極化しており、中間部に位置する「毒にも薬にもならない」作品がほぼなかったのが寂しい。
そして現状でもう夏アニメが折り返し地点をとうに過ぎているのに全然見れていなというやるせなさ。そのうち時間取って纏めて見ないと追いつけない感じがする。