琴浦さん #04 「変わる世界」

  • 「3話が鬼門」という法則そのものを覆すようなネタで視聴者の予想の斜め上をいった前回からどう繋げてくるのかと思ってたら超絶直球、1話のあの衝撃をなぞるような構成だった。こういうのが見たかったので手放しで褒められる感じです。最近だと「ギャグメインの作品なのに最後の方で余計なシリアスを入れてきて最初にシリアスパートを全部片付けてしまったためバランスが崩れてしまう」という事例がよくあってその度に落胆していたのだけど、このアニメはそういった問題に対してある一つの答えを与えた。要は先にシリアスをやってしまえばいいわけである。そうすれば初回から話にも引き込めるしシリアスとの落差があるギャグも前半とのギャップ込みで楽しめる。これはアニメ作品における革命だろう。琴浦さんはラブコメ・ギャグ作品の新たな様式の先駆けになったのでは。
  • 1話で良い人に見えていた琴浦さんのお祖父ちゃんがギャグっぽい人だったのが一番驚いている。そんなにギャグアニメにしたいのかな、と思ったんだけどよく考えれば原作は4コマギャグマンガだった。
  • 寺の住職さんだったりお祖父ちゃんという家族だったり、今まで以上に他人との繋がりを意識させるエピソードで、これが出来たのは2話目3話目があったからだという事実がしっかり明示されているのも潔い。
  • 回を重ねるにつれて真鍋の直球さが見てて恥ずかしくなるくらいに膨れ上がってるんだけど、ヒヨリとの和解で悪役に仕立て上げたりすることでそうした視聴者の感情を緩和していて、そういうバランス調整はめちゃくちゃ上手いと思います。
  • まさしくハッピーエンドの典型と言える終わり方で、もうこの4話で終わっておこうぜという空気すら漂っている。ヒヨリを単なる悪人にせずに琴浦さんと共闘して真鍋に立ち向かうという関係性にしたのも、1話の過去話の中の伏線を全部回収した手際の良さも文句ない。予想通りというかネタの限界というか、次回からはギャグメインになりそうなので1話〜4話におけるあの感動や衝撃は得られないだろうけど、中弛みという地雷を自ら踏みに行くと宣言してるのでそれなりに高水準の話にはなると思う。スタッフのキャラ愛が強く滲み出てるアニメなのでたぶんギャグは面白いはず。