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ガッチャマン クラウズ #12(最終回) 「Collage」 &総評

3話から11話まで美しい右肩上がりを見せていたのに最終回で明後日の方向に飛ばされてしまった。まあ人間が生きていてSNSも存在し続ける限りは「全てが解決して丸く収まる」という綺麗な終わり方は出来ないとわかっていたけど、物語の起点になったJJや最後に目覚ましい活躍を見せたOD、ベルクカッツェがはじめに吸収されるまでの過程なんかをもう少し見せてほしかった。特にJJなんかははじめにノートあげてガッチャマンにしただけでその後何にもやってないし。

SNS、もっといえばインターネットを題材にすることで現実世界で起きている出来事とリンクさせ、最終的には「もしもインターネットが最良の方向で使われ始めたら」というifルートに突き進んでいった。基盤になっているのはやはり性善説なんだろうけど、それが決して浮世離れした内容になっていないのが中村健治の絶妙なバランス感覚だよなーと1人納得していた。つり球もフィクション一辺倒なのに上手く日常作品のように装飾していたし。

しかし個人的にはガッチャマンとベルクカッツェとの争いには明確な決着をつけてほしかった。あれだけ力を振り絞って闘った(あの後死んだっぽい)ODとカッツェを相討ちにしてくれれば物語としてはとても自然に収束に向かったはず。カッツェが性善説に対抗する人間の悪意の塊として生み出され「人間が生きている限り悪意というものは無くならないのだ」という意味を込めて悪意が全くない(ように見える)はじめにベルクカッツェを吸収させて一心同体になった、という解釈でのみ何とか最終回に理解と納得はできるけど。

描写不足の部分もけっこうあったけど、3話から11話の内容は文句無しに良かったので自分の中ではもう充分に満足させてもらった。GALAX(SNS)という人間の善と悪が表裏一体になったような空間をメインに使ったというのは新しさを感じさせるがガッチャマンであることの必然性はやや薄れてしまうという欠点もあった。そこを乗り越えてガッチャマンとGALAXの存在を両立させ、最後には善であるはじめ(主人公)と悪であるベルクカッツェ(ラスボス)を合体させることで善と悪の両方を備えた普通の人間を生み出した。近未来のサイバー的要素の強いアニメに見せ掛けておいて、実はとても人間味溢れるアニメだった。