ガッチャマン クラウズ #10 「Crowds」

  • インターネットという空間あるいは一種の装置が人間の悪の部分を増幅し際限無く放出させるという現実を踏まえた上で、それをオブラートに包むこと無く描き「一つの悪が集合体を悪に染める(悪事を最もらしく正当化する)」ということに対してマイノリティがどう対処するか、それをクラウズという人々の悪の集合意思を具現化した存在によって明確な収束が可能になっている。
  • 1話においてはじめが敵を生け捕りにしたのはここでクラウズ(と結び付いてる人間の脳)にダメージを与えず生け捕りにするための伏線だった。総理大臣がポンコツというのは有り触れた設定すぎて物足りなさがあるけど、このアニメはそうしなければならなかった理由が明確に現れているのでそこいらのB級作品とは一線を画する。
  • 擬似的な無血戦争の中でガッチャマンという存在が表立って活躍する機会を作り、カッツェとの闘いで心を折られたジョーを今まで活用されていなかったノートに書かれた他のガッチャマンたちの意思により突き動かす、この前半でばら撒いたピースが後半になってしっかりと嵌り一つの絵を成してくる構成の美しさは今期作品では比較対象にすらならないくらい突出していて、近年の中村作品(C、つり球)において発揮された圧倒的ポテンシャルが未だに衰えてないことを実感する。
  • リーダーなのにヘタレだったパイパイが子供達のために立ち上がったり、ジョーが失っていた過去の自分の原動力を取り戻したり、今回は上位クラスのガッチャマンにスポットを当てた内容だったので、次回(最終回手前)でおそらくうつつと清音の話をやることになるはず。