キャプテンアース 1話 「アースエンジン火蓋を切る Earthengine open fire」

やはりタクトを感じさせる作風。しかしタクトとは違ったどこか陰鬱とした雰囲気もわずかに感じさせる。あまり良くない状況に置かれていながら主人公が卑屈になることもなく、かといって根拠の無い自信に満ち溢れているわけでもない。タクトよりは取っ付きやすい。後半からは謎に満ちた展開が繰り広げられるが、それでも主人公がブレないのはキャラメイクの強さを証明している。

榎戸が得意とするシナリオを五十嵐が上手くコントロールしているのがわかるが、それをタクトより上手く出来ている感じがする。1話目からがっつり過去回想を入れているのに煩わしさはない。むしろ物語のテンポがほどよく調整されている印象さえ受ける。種子島でロボットというと最近のロボティクスノーツあたりを思い出すが、あのようなアニメにならないことを祈る。

Aパートだけでもうシナリオの密度がかなり濃いのに、BパートではAパートでつぎ込んだ情報量をバネに最後まで勢い良く突っ走っていく。キルラキルのような画面のスピード感はないのに、シナリオのテンポの良さが影響してか25分があっという間に感じた。劇場作品を意識した導入部としてはこれ以上ない出来だ。過去がしっかり現在に繋がっているという連関の強さも示しているし、さり気なくギャグアニメを意識した演出も施されている。今のところ春アニメの中では最も素晴らしい1話だった。