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ハロー!!きんいろモザイク 第05話「おねえちゃんとあそぼう」

2015年春アニメ きんいろモザイク 9.5

今回は大宮忍がOP前でソロを披露していたのだけど、CVの都合上どうしてもてさぐれ部活もののOPのボケを思い出してしまうのであった。5人全員→ソロ→5人全員→ソロ…と続いているので次回が全員、その次が綾か陽子あたりになるのだろうか。綾ソロ回が気になって仕方がない。


以下雑感.


・大宮勇の異変

完全無欠の超人であるかのように描かれていた忍の姉、勇の様子がおかしいという導入から幕を開ける今回の話が今までに比べ明らかに異質であることは見て分かるだろう。そもそも、これまで高度なギャグやいたずらを繰り返していた勇の様子がおかしい、というのは血を分けた妹である忍にしか感じ取れない異変だ。現に、「麦茶に砂糖と間違って塩を入れてしまう」というテンプレート的なミスを陽子は「わざとではないのか」と疑っていた。そのような「わざとなのか本当に様子がおかしいのか判別に困る」という部分(忍たちと遊びに行く時に学生服で変装するなど)が、徐々にフェードアウトしていき、いつも持ち歩いているカメラを忘れる・下りのエスカレーターと上りのエスカレーターを間違える・眼鏡の上に眼鏡をかける・フェレットとラッコを間違える…などのあからさまにおかしな部分が表に現れてくる。常に忍やアリスの保護者的立場にいた勇が逆に忍やアリスたちに心配される、という立場の逆転を上手く「5人が勇と遊びに行く」理由に紐付けている。



・「写真を撮る」という行為

近年は携帯に内蔵されているカメラによって簡単にいつでもどこでも撮影を行えるようになった。しかしそれでもデジタル一眼レフカメラなどは高価ながら一定の人気を博している。「写真を撮る」ということはつまり一瞬を切り取る、それゆえ思い出の象徴であったり、何らかの物的証拠、あるいは脅迫などの材料として用いられることが多い。そしてここでの写真撮影は前者と後者、両方の用途で機能している。もちろん後者は作中においては脅迫に該当しないのだが、久世橋先生の視点だと「カレンに弱みを握られた」程度の認識はなされている。



・蘇った金持ち設定

わらしべ長者』を知らない日本人など皆無に等しいのではないだろうか。物々交換で成り上がっていく主人公を見たアリスは、これを実践してセレブになろうと目論むわけだが、もちろん現実に上手くいくはずもなく、アリスが手始めに交換材料にした「こけし」は「陽子と綾のツーショット写真」→「動物の赤ちゃん図鑑」→「うさ耳付きの帽子」→「水道水(陽子水)」へと変わっていき、目に見えて価値が下がっていってしまう。これが現実なら試合終了となるはずだが、1期で少しだけ明かされた九条カレンのお嬢様設定がここで生きてくる。今まで「高級なマンションを所有している」以外の金持ち描写が一切出てこず、(あの設定は本当に必要だったのか…?)と我々が疑問に思い、そしてそれすら忘れてしまった今頃に「九条カレンは金持ちなので水道水と1万円の指輪を交換する」という超弩級の展開を叩きつけてくる。九条カレンに養ってもらいたいだけの人生だった。



・勇がスランプに陥った理由、自立という卒業

最終的にアリスが手にした1万円の指輪は、勇の「忍をあげる」という発言により勇のものとなった。「1万円の指輪と忍を交換したのだから忍の価値は1万円程度なのでは…?」という疑問はさておき、結局今回の話の中では「勇がスランプに陥った理由」は最後まで明かされない。ただ漠然と「落ち込んでいる」「様子がおかしい」と語られ、実際に挙動も言動もおかしいのだが、それが何に起因するのかは謎のままだ。しかし、作中にはそれを推理するヒントが幾つか散りばめられている。

最も直接的なヒントは「勇が立ち直った瞬間」だろう。勇は、大量のチラシを抱えて転びそうになった忍を助けたことを契機に元の自分を取り戻すのだが、このとき勇は「駄目ね忍は、私がちゃんと付いていないと」と発言している。忍には自分が必要だということをここで再確認していることになるが、それは同時に自分の存在意義の確認でもある。忍が不安定な状態でなければ大宮勇は真価を発揮できないのだ。つまり、勇が落ち込んでしまったのは、忍が勇が付いていなくてもやることをきっちりやれるという状態になってしまったからで、これは一体何故なのかと考えると、アリス・カータレットの存在に辿り着く。アリスが大宮家にホームステイし、忍と共同生活を送ることで、忍の生活習慣や態度は改善されていき、姉の手助けを徐々に必要としなくなっていった。一応アリス自体も本人が認めているように子供っぽいところはあるが、忍、カレン、陽子などと比べると明らかに自活能力が高い。

もちろんこれがアリスへの嫉妬などに繋がるはずもなく、「徐々に姉離れしていく妹の姿を見て寂しがっていた」という解釈が適当そうだが、もちろんこれも推測に過ぎず、実際は仕事で失敗したり、学校の人間関係に悩んでいたという単純な話なのかもしれない。しかし重要なのは、立ち直るきっかけが忍の存在だった、ということだ。大宮勇が最高の状態であり続けるためには、忍は姉を頼り続けなければならない。紛れも無い(無意識下における)共依存状態である。それを自覚し、且つそこからの(勇の)脱出の契機が今回の話だ。これはやがて来る卒業を示唆しており、だからこそおれは今回の話を涙なしには見られないのだ。



・結論
大宮勇はパールヴァティー