たまこまーけっと 第1話 「あの娘はかわいいもち屋の娘」

  • おれが待ってた物語とはまさにこの作品そのものなのかもしれないと思えるほどハマってしまった。似たような作品は数あれど、どれも痒いところに手が届くことはなかった。このアニメはついにそこまで届くかもしれないという可能性を感じる。魅力的なキャラクタが織り成す柔らかな日常を丁寧に描写する中にファンタジーの要素とそれに付随するコメディを違和感なく混ぜ込んでいて、視聴満足度のメーターが限界まで振り切れた。サトジュンの匂いを仄かに感じつつも女性的な繊細さを嫌らしくない程度に見せてくるのはさすが山田尚子というところである。
  • たまこが非常に可愛らしいキャラクタなのでどんな突拍子もない展開もすんなり見られる。たまこが銭湯で鳥を投げるモーションがめちゃくちゃ可愛いのでそれだけで生きていける気がしますね。レコード屋での「私は餅屋だからね」と言うシーンとか凄く良い。幼馴染みでたまこに片想いしてる餅蔵も変に捻くれたキャラクタじゃないのも素晴らしい。クラスメイトのみどりやかんな、たまこの妹のあんこちゃんにもそれぞれ違った魅力があって、キャラに関してはもう1ミリも文句がない。
  • 見てわかる通り、完全にキャラクタが物語を作っていくタイプの作品であり、今のところそれが完全に成功していて末恐ろしさがある。特に鳥のキャラメイキングが尋常じゃなく上手い。こいつが少しでも嫌味のあるキャラだったら完全に駄作になっていたと思うんだけど、絶妙なネタキャラとして作品内での立ち位置を完全に確立している。この鳥が喋るという事実をしっかり現実味をもって受け入れているのも好感触。
  • 大晦日というわりとタイムリーな時間設定のエピソードでちょっとしたノスタルジックさを醸し出しつつ、基本はドタバタ日常コメディの王道を踏襲しているので安心感がすごい。先がどうなるかわからないようなドキドキ感も必要ではあるけれど、安心して楽しめるこういうタイプの作品も絶対に必要なのです。
  • とにかくもう楽しくて仕方ない1話目でした。作画演出音楽がハイクオリティであり、新人と思われる声優たちの演技も何の問題もなかったのでもう欠点が見当たらない感じだ。