たまゆら〜もあぐれっしぶ〜 第5話 「明日のためにレッツフォト、なので」

  • 写真部の部員二人が4話終了時点でまだ互いに敬語使っていたのでこの現状から一歩進むのかと思ったら意外にも関係性の進歩より写真部としての活動実績を積み重ねる方に比重が置かれてて、活動を継続していくことで自然と互いを認められるようになるラストが予測出来るし、やはり佐藤順一は人間関係や環境の変化を急くことは永遠に無いのだろうと納得した。ARIAカレイドスターよりも前、ストレンジドーンや魔法使いTaiからその作風が現れている。
  • キャラクタが物語を作っていくという方法論はキャラクタ自体にある程度の力が備わっていないと成立しないわけだが、たまゆらはその暗黙知に逆らうようにキャラクタの個性が最小限に抑えられている。無駄な装飾・属性を一切加えず、ぽっての口癖や真音の口笛などアクセントになる特徴を多少付けただけであとはシンプルな味付けのみである。もう精進料理に近い。
  • 今回は写真部の公式的活動の布石、自由研究の延長のようなイベントが1つあるだけで、こういう街中を飛び出して遠出する場合必ず保護者兼発起人としてさよみ姉さんが現れる。このさよみ姉さんがやってることはほとんど佐藤順一の体験談らしいし極度に現実から引き離した世界観を作る気はないらしい。まあ竹原市をモデルとして取り入れてる時点で現実からの延長線に乗ることは避けられないんだけど、作中では一度も街の名前に言及してないし「一応架空の街です」と言えば何とかなる。
  • 風景、自然の美しさをアニメで表現するのは非常に難しい。造形物の美しさはわりとアニメ側でコントロール出来るのだけど、自然の美しさというのは人間の手に負えないので人間がかなり譲歩あるいは妥協してギリギリのラインで色彩やレイアウトなんかを中心に1から作り上げる必要がある。最近だとPAやufoの背景美術がかなり良くて、たまゆらがこうしたところで制作されてれば無敵だった気もするが、TYOもそこまで悪くないので人物の作画だけ改善してほしい。なぜか1期より落ち込んでいる。