ログ・ホライゾン 第1話 「大災害」

最近記憶力が衰えてきたこともあり老化現象がすぐそこまで近付いてるのを痛感している今日この頃ですが、ログ・ホライゾンは某オンラインゲームアニメに似ているか似ていないかと問われればおれの薄っぺらい記憶の中の某SAOとはあまり重複する部分がないので似ていないと言っていいんじゃないでしょうか。モチーフがネットゲーム、それに強制参加させられた人々が主役というだけであって、枝葉の伸ばし方は異なっている(主人公はギルドとか苦手な設定にしておかないとどこかの派閥に組み込まれてしまうので仕方ない)。

まず第一に明確な想像主がいないという点。これが存在しているのといないのとでは話がまるっきり変わってくる。存在している場合は何らかのタスクが与えられるし最終的にどうにかしてその想像主を倒すことがゴール地点に設定される。しかしその想像主がいないとなると「まず何をすればいいか」ということさえ不明瞭で、目的を決めるという部分からのスタートになる。ログ・ホライゾンにおいて最初に設定された目的は仲間集め(チーム結成)というところだった。世界観を提示しつつ主要キャラの顔見せを済ませておき、ラストでバトルを見せるという手堅い構成。初回としてはこれで充分だろう。

あとはSAOに比べて緊迫感がほとんどない。知らないうちにオンラインゲームの空間に飛ばされて帰れる見込みはおろか何がどうなっているのか、自分のおかれた状況さえもよくわかっていないにしては皆冷静だったり楽観的だったりする。これが良いことなのか悪いことなのかは展開が進んでいかないと判断のしようがない。元々の設定の時点ですでに現実感とか捨て去っているので、この人々の態度に対して現実的ではないとかいう突っ込みは無効化される。

NHKアニメということなのであまりダウナーな方向には持っていかずファンタジーとしての面白さを追求していく形になるような気がする。実際SAOもシリアスな部分やラブコメ要素を混ぜつつも根幹にあったのは仮装空間における戦闘・冒険などのファンタジー的な享楽だし、このアニメも資本主義経済や人間同士の駆け引きなんかに進路を変えなければ一定以上の熱量は維持できるだろう。