夜桜四重奏 〜ハナノウタ〜 第1話 「サクラサク」
今更こんなことを言うのも憚られるんですが実は夜桜四重奏に関しては1期1話を見た時点であーこれはおれには致命的なくらい合わねえなあと思ってリタイアしたのでどんな話だったのか覚えているか覚えていないか以前に知りません。もちろん予備知識とかもほとんどなくて、ただヤスダスズヒトが成田良悟の作品から受けた影響をそのまんまアウトプットしたという感じで二番煎じでしかなかったことと、キャラクタの台詞回しや能力の発動方法なんかが全て格好悪かったという負のイメージだけが頭の隅にこびり付いている程度でした。そんな人間が約5年ぶりにリベンジしようとこの夜桜四重奏2期を見始めたわけですが、5年前と違って「話の内容をシャットアウトし視覚的情報のみ受容して楽しむ」という方法を取得しているので意外にも最後まで苦なく見られた。確実な成長を感じる。
いやまあ成長というよりもこれは制作がノーマッドからタツノコに変わったことが大きいと思う。「作画を楽しむ」ということが可能になったのは間違いなくタツノコのおかげ。監督・シリーズ構成・キャラデザも変わっているからか1期の時のような嫌悪感はあまりなくて、むしろ作画からは爽快感すら漂っている。これによってキャラクタのこととか設定とかわからなくても大丈夫なようになった。さすがに5年も間が空いたら1期を見てる人より見てない人の方が多いのではということを制作側が考慮したのだろう。
とにかくキャラクタのモーションに死ぬほど力を入れているのがわかるので、その一点だけでもだいぶ視聴モチベーションは上がるけど、ストーリー自体あまり1期の内容を(知らんけど)引きずってないようなので切り離して考えることができそう。登場人物多いけどヒメが一応主人公なのは見てればわかるし(厳密には群像劇に近いので主人公という概念を持ち込むことは適切ではないのかもしれないが)、キャラクタの役割を今のところ明確に分けているのはおっさんの脳味噌的に助かる部分。
まあわかるところとわからないところ、どちらが多いのかと尋ねられればもちろん後者なのだけど、それが問題にならないのは非常に助かるし今期は単純にストーリー密度が濃いアニメが多いのでこのくらい薄口のアニメがあったほうがいい。いやストーリーはしっかりしてるんだよ!!と突っ込まれそうだけどそんなもんどうでもよくて、最終的にアニメーションとして満足できればそれでいいかなという感じです。