2014年夏期アニメ期待度

完全なる社会人になって早3ヶ月。会議で精神が蝕まれ飲み会で体力が削られていく。こんな人生に誰がした。
それはともかく社会人になってそこそこ規則正しい生活を送りつつも人間関係やら仕事の進捗具合やらで満身創痍になってくると、今まで見ていたはずのものがまるで違って見える。『きんいろモザイク』の時点で既に兆候はあったのだが、とにかく日常系のアニメが極めて美しく見えてくる。神の手が見えるようだ。日常教があれば入信しそうな勢いが今ここにある。小難しいことを一切やらずに可愛い女の子が戯れているだけで神の存在を信じられる。きんいろモザイク2期も決まったし我々はこうしたアニメのおかげで延命できていることを忘れてはいけないのだと心に誓いました。


1.グラスリップ

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P.A.WORKSのオリジナルで監督が西村純二ときたらこれはもう誰がどう考えても『true tears』だろう。今なお乃絵派と比呂美派の血で血を洗う抗争が続いているゼロ年代の名作だ(ちなみにおれは比呂美派だが今でも道を歩いていると乃絵派から襲撃されることがあったりなかったりする)。柔らかい絵でコーティングされた中に人間の生々しさが垣間見えるようなあの絶妙な薄気味悪さの再来を望んでいる。個人的には眼鏡を掛けていらっしゃる永宮幸さんに期待しています。


2.月刊少女野崎くん

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原作読者。とにかく最近では珍しいくらい笑いの部分に全力を注いでいる。やや少女漫画に近い部分もあるが、基本的には4コマでとにかく読者を笑わせようとする仕掛けが多彩で読んでいて飽きない。画力も高いし昨今の漫画の中でもハイレベルなのだが、アニメではどこまで再現できるのかという部分が肝心だ。監督の山﨑みつえもシリーズ構成の中村能子も今まで女性向けのアニメばかり担当していた人なのが不安といえば不安なところ。


3.アオハライド

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アオハライドの名前を聞いたことはなくても咲坂伊緒という作者の名前は聞いたことがある人とか結構いるのではないか。咲坂伊緒といえば去年の映画『ハル』のキャラクター原案を担当したことで一躍注目を浴びた漫画家だ。ハルのキャラデザは非常に好ましかったので、逆に自作のアオハライドという作品のアニメで別の人間がキャラデザやると違和感あるのではという気もするが、シナリオ自体に強度があれば実際のところキャラデザとかどうでもよくなってしまう。原作読んでないです。


4.ハナヤマタ

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ごちうさに一時救済されたものの再び魂が濁ってしまった人間達の新たなるサナトリウムになり得る可能性を秘めたアニメ。正直原作とか全く読んでないし音ゲーが発売されるという情報を聞いてわりと不安な部分もあるが、心が死んでしまった今となってはストーリーが雑でも作画がしょぼくてもゆるふわ女子高生がゆるふわトークしているのを見ているだけで「いい...いいぞ...」と言える体になってしまったので、たぶんこのアニメも何だかんだで最高最高言いながら見てる気がする。


5.ペルソナ4 ザ・ゴールデン

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ふと気になって人類の偽叡智ことウィキペディア様の力を借りて確認したところペルソナ4のアニメは2011年10月から2012年3月までの間に放送されていたとのこと。まさかあれから2年以上経っているとは思わなかった。てっきり2012~2013年に放送されたアニメだと思っていた。まずい。予想以上に時が経つのが早過ぎる。こんなはずじゃなかった。こんな人生に誰がした。計算だとあと2年はだらだら生きていられるはずだったのに気付けばもう社会の奴隷だ。人前に出る時は常にペルソナ装着状態だ。こんな人生に誰がした。


6.ソードアート・オンライン

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作者の痛い二次創作(?)が掘り起こされた事件も遠い彼方、今やSAOといえばアニプレの主力コンテンツだしいつの間にか「俺TSUEEEE」系作品の筆頭みたいな扱いになっている。おれが原作読んだ時はそんなんじゃなかっただろいい加減にしろ。いっそのこと作者が思い描いていたキリトとアスナの新婚生活を同人誌で出せばいいのではとか思っている間にメインヒロインの座はアスナから知らない女へと譲り渡されていた。そういえばSAO1期は2012年夏~秋放送だったらしい。何なんだ。おれの周りだけ時間が過ぎるのが早過ぎる。何かがおかしい。


7.残響のテロル

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とりあえずノイタミナ作品を挙げておけば通ぶれるみたいな風潮に中指を立てて生活しています。基本的にノイタミナ作品というのはハズレ7割アタリ3割という印象は今も変わっていない。で、このアニメに関しては監督が渡辺信一郎のうえに音楽が菅野よう子というカウボーイビバップ再来状態でへーそうなんだと思っていたんだが、重要なのはここではない。メインヒロインの1人がCV種﨑敦美という事実が非常に重要なわけです。おれは『となりの怪物くん』を見て夏目あさ子の声を心底素晴らしいと思ったしあれから常に種﨑敦美さんの仕事が増えてくれる日本社会を望んでいたので、これは遂にその願いが届いたということだろう。となりの怪物くん2期と種﨑敦美さん躍進のためにも残響のテロルには頑張ってもらいたい。


8.あいまいみー 2期

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あびゃ~

9.さばげぶっ!

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これがあの『なかよし』で連載されている少女漫画だと知った時は開いた毛穴が塞がらなかった。銃を握りしめてエクスタシーに達するようなキャラもいればいじめたやつに対していじめ倍返しにするキャラもいる。とにかく従来の少女漫画像からかけ離れているのだが、そもそも今の少女漫画は非常に多様化していて、少女漫画というジャンル自体がガラパゴス化している感さえある。少年漫画に比べて明らかに少女漫画というのは聖域というか、不透明だが確実なラインが引かれているような。少なくともそのラインを男が超えるのは結構大変だったりする。今は通信販売が発展しているが、昔は書店で手に取るどころか少女漫画販売ゾーンに入るだけでも中々勇気が必要だった。おれは妹の力を借りてあれこれやってた。昔は昔で良かった...


10.人生

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ついに「CLANNADは人生」というクリシェが殺される日が来るのかと思うとワクワクが止まらないのだが、恐らくそんなことはなく明日も明後日も一年後も「CLANNADは人生」と言われるだろうし、『人生』というアニメは人生でしかないのだ。あるいは人生はクソアニメと言われてしまう日が来るのかもしれない。そもそも人生とは何だ。おれは金とかそんなにいらないから普通の社会人よりも比較的楽に生きられる人生を望んでいただけなのに気付いたら普通の社会人と同じ地平線に立ってしまった。朝早く出勤して夕方退勤して電車に揺られて帰ってきたら安物の惣菜を食って風呂入って掃除洗濯して寝て起きて出勤する。これでいいのかおれの人生。こんな人生に誰がした。




大体こんな感じです。大豊作の春に比べて非常に地味なラインナップで正直不安が大きいが、それでもおれたちのP.A.WORKSならやってくれるはずだと信じて生きていく。ちなみに今期の2クールものは全部ハズレだったりする。おれが以前書いたこれの中の2クールアニメが全部ハズレという奇跡。完全に審美眼が機能してない。人生の終わりは近い。