となりの怪物くん 1話

少女漫画原作アニメの良くないクセが出てしまった。少女漫画というものは主人公の女性が最終的に結ばれる相手となる男性と出会ってからのストーリーを描く作品がほとんどであるため、最初はどんな手を使ってでも(主人公の経歴なんかを全部すっ飛ばしてでも)主人公とメインの男性が出会うところまで進めなければならないというノルマみたいなのが存在する。


それを踏まえて1話目を見てみると「ああ、いつものパターンか」という感じなんだけど、やっぱり展開が死ぬほど早い。これは構成の問題じゃなくて原作が抱えている問題だと思うのでアニメに関して文句言ってもしゃあないわな。まあ『君に届け』みたいな化物じみたハイレベルなクオリティで構築される作品もごく稀に存在するんだが。


イントロダクションとしてはかなり雑なんだけど今後の展開にはそこそこ期待できそうな風呂敷の広げ方。わりと話の種を蒔いてる感じ。ただそれにしても1話目としては尋常ならざる早さだよな…1話目で圧縮されたストーリー並べて互いに他人からのスタート→友人になる→告白される→仲違いする→仲直りする→キスする までもっていくラブコメとかどういうことだ。総集編かよこれ。ていうかもうこれ最終回でいいだろ。


ただ雫のキャラクタがけっこうブレてる(誰に対して態度が大きくなったり小さくなったりするのかがまだわからない)のが気になるけど、それはまあ1話だからだろう。しかし吉田くんがどう考えてもギャグ寄りのキャラクタなのが一番意外だった。少女漫画というカテゴリの中で考えても珍しいくらいに「コメディ」の要素を意識している。雫が殴られたときの演出は恐らくその原作のコメディ要素を汲み取ってシリアスにならないように気を配ったんだろうし。


まあこの音速並みのスピード感あるストーリー進行もそこまで悪くないかなーとは思う。あとはOPに出てる黒髪眼鏡の子を早めに出してくれれば多少荒っぽいことをしても許せますね。