中二病でも恋がしたい! 1話

この世には3つの作品がある。視聴前の予想を下回る作品、予想通りの作品、予想を上回る作品の3つである。そしてこの「中二病」というコンセプト以外がほとんど謎に包まれていたアニメの1話目は予想を上回る出来だった。はっきりいって「期待を裏切る出来の良さ」という一点にフォーカスした場合ジャイロゼッターに次ぐ出来映えだった。


京アニの作り出す映像空間の妙に中二病というある意味青春の産物といえる要素を組み込むことによって不思議な化学反応が生じている。中二病独特の長ったらしい台詞回しにも聞き込ませる力があって冗長さは感じさせないし、この台詞回しにより六花とそれに突っ込む裕太の両方のキャラを確立させている(あと福山潤ははまり役だった)。とにかく見せ方作り方が上手い。「ストーリーを作る」でも「キャラクタを作る」でもない、両方を合わせたうえで「アニメを作る」ということを意識している。


六花と裕太の身振りの細かさがリアル感よりもアニメ感を生んでいるのは逆転の発想というか、動かそうとすればするほどわざとらしいというかアニメっぽくなるんだな。まあこのアニメではそれを意識的にやってるのでむしろ効果的に機能している。あと京アニ作品のキャラクタは頬を膨らませるとすごく可愛くなりますね。今回は裕太のお母さんがそれ。


今のところ秋アニメの中でもトップクラス。ゆるい学園ものという感じの展開だけどこのままの路線でもいいし、本格的妄想中二病バトルという超展開でも下地がしっかりしているのでわりと無理なく見れそうな感じはする。比較的爽やかなOPと中二意識全開のEDとのコントラストが素晴らしいですね。というかED曲普通に好きなのでたぶん買います。