ひだまりスケッチ×ハニカム 1話

ここだ。ここがおれたちの居場所だ。病めるときも健やかなるときも振り返ればいつでもそこにあったひだまり荘。世界中の人類が滅んでも確かにひだまり荘とその住人たちは永遠の時間の中に存在し続ける。時間の有限さも人間の寿命も次元の狭間もここでは何もかも無効化され、ただ美しく穏やかに広がる世界に陶酔することを許される。おれたちはひだまりに生かされ、ひだまりはおれたちが支えるという理想的関係性はもはや盤石なものとなりコンテンツという概念を超えて共有される。


取り敢えず「宮ちゃん可愛いようおおおおおおおおおお」って言ってたら25分あっという間でした。時が経つのは早いものですね。宮ちゃんは相変わらず天然で可愛い。宮ちゃんに腹一杯ご飯食べさせたい。宮ちゃんと北海道食べ歩きの旅をしたい。


4期目にして未だにキャラクタの魅力を最大限に生かすストーリー構成はまるで崩れず、崩れるどころかさらにその魅力を強固なものにしており、このアニメの中では年長者の部類に属する吉野先生やサブキャラ的立ち位置の夏目ちゃんなども非常に可愛く描かれていて、ウメス絵の力と演者の声が合わさるとここまでの相乗効果を生むのか…と改めて驚かされるなど。


いつも通り薄味のストーリー、今回に関しては修学旅行という内容の詰まった題材なんだけどそこはひだまりクオリティ、絵の具を水で薄めに溶かしたような淡くまったりとした展開が緩やかに紡がれていく。時は2012年、右から左へ次々と情報が流れていく忙しない現代社会においてこの圧倒的情報量の少なさは長所であり武器になりうる。情報量の少ない作品と言われれば内容が無いのかな、と思われがちだがそうではなく、ひだまりはストーリーを視聴者に意識させないことでキャラクタの魅力を最大限に享受できるように作られている。だからこそキャラクタに魅力を感じられない人はひだまりを好きになりにくいという欠点はあるものの、逆にはまる人はどこまでも深くはまっていく。


唯一の懸念事項だったOPとEDは回を重ねるごとに耳に馴染ませていけば問題なく受け入れられるだろう。ひだまりに関するものは常に長期的な目で眺めなければならない。徐々に体に染み渡っていくこの快楽を味わえるのはひだまり視聴者の特権である。