絶園のテンペスト 1話

いやーくさいもくさい、これほどまでに中二臭全開な作品だとは思っていなかった。「中二病でも恋がしたい」よりも中二臭い。とはいえ「中二病」は中二病であることをネタとして扱ってる作品なので進むベクトルが違うんだよな。


中二臭い最大の要因は間違いなく主人公たちの台詞回しだろう。なぜキャラ紹介も世界観も設定も日常会話も全部が芝居臭い。「作られた世界」というのを否が応でも感じさせられる。ただこの作られた世界は同時に「どこかで見たような世界」でもある。例えば黒鉄病はギルクラを想起させる、みたいな。


しかしまあ戦闘が格好いい。コンテや演出の妙というべきか、ボンズの本気というべきか。完全に映像として「魅せる」構図で、こういうレベルの戦いを今後見られるならそれだけでも見る価値はあるのでは。痛さ炸裂の台詞回しも戦闘中においては例外的に物語のピースにはまり込む。


ストーリー面においては一番最初にヒロインが死ぬという斬新さ、シェイクスピア(あの『テンペスト』が下地になっているのかな)を連想させるような筋運び、男達の深みに入りそうな友人関係など、非常に岡田麻里が好みそうな要素を備えていて「悪い意味で岡田麻里が暴走した展開が見れるのでは」という期待がある。ただ原作漫画が存在するのでそこまで遊びの余裕がないかもしれない。