お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ 1話

まさかの今期ダークホース候補に浮上してきた。誰でも思いつくような設定を振り切れたキャラクタの掛け合いに託すことで屈折した笑いと圧倒的なテンポの良さを生み、それがキャラクタの個性に繋がっていく。あとこういう類の内容だとわりと引かれがちになるはずの妹兼メインヒロインの秋子が普通に可愛い(ように見える)というのもポイント高い。


内容は予想通りというか何というかMF文庫作品が最近主力として売り出しているタイプのものなんだけど、それが単純に「To LOVEる」的な見せ方ではなくて(最初ちょっと嫌な予感はしたんだが)、コメディのような見せ方も織り交ぜてくるのが面白かった。ハーレム的な要素も備えているのになぜかそれをコントとして消費する謎のバイタリティ。


顔アップが非常に多く用いられ、あくまでキャラクタ主導のアニメであることを視聴者に認識させる。たぶん今後もこんなストーリーが展開されて、シリアスなエピソードはほとんどないと考えても問題なさそう。基本的にキャラクタ同士が会話するだけで15分くらい時間を使えるような作品だし。唯一気になったのは生徒会メンバーがどういう経緯で主人公たちの家(どうやら寮らしいんだが)で生活しているのかという話だが、これはたぶん時系列いじくってると思われるので2話以降の展開を見るしかない。


秋子を演じているのは新人(しかも中学生)ということでわりあい心配だったんだけど、滑舌に若干不安を残す以外はよく演じられていたのでは。ただ声質が佐藤聡美に似てたのが少し気になった。


それともう一つ、思ってた以上に作画が安定していた。この手のアニメってわりと作画が不安定になりがちなんだけど、昨年のMF枠でいうところの「まよチキ」を思い出す安定感。シルバーリンクってあんま目立ってはいないけど結構良い仕事したりするので生き残り続けてほしい。