ToLOVEる ダークネス 1話

いやーこれは良い意味でやりすぎでしょう。開始1分半で目映いほどの光が視界を覆い尽くすディストピア。この先の世界を覗きたきゃ円盤を買えと言わんばかりの光量が眼球を襲い、また一筋の光も差さないような圧倒的な闇が画面を染め上げる潔さ。ダークネスという新たな看板などどうでもいいというようなストーリーの薄さ。そして極限まで磨き上げた肉体的エロティシズムを際立たせる作風にはある種の美学すら感じさせる。


とにかくもう映像の利点を最大限に生かして原作よりも肉感をもたせた描写を大量に盛り込み、この作品のファン層に全力で応える力作に仕上がっている。しかし重要なのはそれだけではなく、原作ではただ単にエロい描写だった部分が、アニメでは眩しいほどの光と視界を奪うような闇の規制を施すことによってギャグとしても機能するようになった。つまりテレビ放送ではギャグアニメ、円盤では紳士アニメとして、1つのアニメで2度違った楽しみ方ができるというポテンシャルを秘めているのである。


ダークネスはララの影が薄くなる代わりに妹であるモモとヤミこと金色の闇がメインヒロイン級に活躍する話なんだけど、原作ではそれに違和感があって「えっもうララいらないんじゃないの?」という展開の連続なのでアニメではララにもう少し存在感がほしい。とはいえメインヒロイン兼エロ担当のモモの影が薄くなっても駄目なのでそこはバランスが求められる。


相変わらずキャラクタは多いのに上手く全員を動かせているのはもう神業に近いですね。誰でもリトのラッキースケベの毒牙にかかる可能性があるという事実もある意味「展開への期待」を見出せる要因になる。1話ではほとんどモモのターンだったんだけど、これから回を重ねるごとに個別にキャラクタの出番が増えるので「ハーレム作り」が本格的に加速すると同時にダークネスのテーマの一つでもあるヤミの過去の掘り下げにも期待がもてる。しかしメインヒロインvsモブキャラでこれほどモブキャラが応援されるアニメも珍しい…