RDG レッドデータガール 第1章 「はじめての転校生」

  • 1話で判断出来ないタイプの作品。3〜5話くらいまで見てようやく話の全容が掴めてくると思われるのでやや玄人向けの作品かもしれない。
  • 街の景観がやや古風だったりする割にネットが普通に存在してたりと時代がよくわからなかったんだけど、誰かがコンピュータ室で「スカイツリー」と口にしてたのでほとんど現実と同じ時代っぽい。
  • 全編に渡って泉水子の髪の毛に注目が向くようになってて、なぜ「髪の毛を切った」ということにそこまで固執してるのかは一回見終わった後に「泉水子が自立しようとしている証」と「泉水子の霊力を宿している身体の部位」という二つの内面を表す行為であるからだとわかってきた。しかし肝心の霊力の正体がまだ全く明らかになってないので散髪は「泉水子が変わろうとしている」という事実としか結び付かない。
  • 世の中では「失恋したから髪切った」みたいな因果関係が普通に成立していて、髪を切るという行為には「過去を切り捨てる」という意味が付与されていて、たいていは髪を切ったその瞬間から覚悟が決まるものだけど、泉水子は髪を切っても上手く変わることが出来ずにいて、それに対する葛藤が深行を通じて伝わってくる。
  • 深行の存在が自分の感情を曝け出すことのなかった泉水子の性格を変えていく、という基底があるにも関わらず最終的に深行は泉水子の下僕になることを宿命づけられている、つまり後々の展開が半分見えているわけだが深行の父親である雪政や泉水子を取り囲む大人たちの思惑がまるで描かれていないので、展開の意外性はそちら側に集約されるのが自然だろう。