サイコパス 1話

正直なところ物語に引きずりこむほどの力を持った1話ではなかった。しかしこれはこのアニメに対するハードルが初期段階で上がり過ぎていたという問題があって、一概に駄目だと切り捨てることもできない。


ストーリーは虚淵がやりたかったことをまんま出来ているという様子で、本克はその虚淵が暴走しないように抑え、かつ警察内部の人間関係や雰囲気を作るのに一役買っているといった感じがする。天野絵はこの内容には合わないんじゃないのか…と思いつつも慣れという人間が備える素晴らしい能力を信じておこう。


映像は鋭角的かつ退廃的で、派手なアクションなど大々的な立ち回りはないものの常に何らかの危険と隣り合わせである、という雰囲気は伝わってくる。虚淵が脚本を書いているというのだからその危険度は尚更高いように思える。最後に犯罪者が爆死(?)したのも虚淵が考えそうな殺し方だなーという。


音楽や演出は世界観を構築するための立派な要素として機能しており、無機質な世界の中で有機的な輝きを放っている。音楽に関しては菅野祐悟が良い働きをしていて、もともとドラマ寄りの作曲家であることもリアリティを突き詰めていく上で必要なピースだったのだろうと推測される。


まあストーリーに関してはこれから詰めていくんだろうし、今の時点でどうこう言っても仕方ない気がする。2クール目だし長い目で見ることにする。