ガールズ&パンツァー 1話

1話目だけ見れば今期1,2を争うほど異色かつハイレベルなクオリティを誇る作品。女子高生が戦車に乗るという設定がもうすでにぶっ飛んでいるのに、それに加えて話の内容まで想像の斜め上をいくものでかなり面食らった。「「戦車道」とは乙女がたしなむ武術のひとつ」という認識がかなりやばい。戦時中かよと突っ込みたくなるレベルの世界観。


ただ個々のキャラ設定はかなり王道をいくもので、あるものに対する実力はありながらもある事情によってそこから遠ざかっている主人公が周りの人間たちによってまた近付いていく、という黄金パターン。この突飛な設定に王道のキャラクタという組み合わせが実に清々しい化学反応を起こしている。あの名作『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』を思い出すようなこの雰囲気に期待せずにいられようか。


映像に関しても、最初の戦車からの視点によるカメラワークは斬新で面白かった。物語だけでなく映像でも楽しませてくれる作品というのは大いに期待がもてる。キャラクタの動きに若干ぎこちなさは感じたものの、このアニメでは今後キャラクタが学校生活を送る時間よりも戦車に乗ってる時間の方が長くなる可能性があるのでそれならまあいいかな、というところです。


あと美穂たちの関係性があまりに汚れのないトライアングルでかつ見守りたくなるような微笑ましさを湛えていて観てるだけで魂が浄化されていくようである。間違っても今のところこれは「百合」とは言えず「友情」の範疇に属するわけだが、この恥ずかしいくらい真っ直ぐな友情が女性同士のものだという点がファンタジックな感じ。こういう直球の友情って男同士にしか発生しないものだと考えていたので。


とりあえず今期見た新アニメの中で5本の指に入る面白さだった。今後いくらでも話を広げられそうな余白部分が多いのでどこまでも面白くなる可能性を秘めている。